第4回座談会
-切除不能大腸癌に対する化学療法 二次治療について考える-

切除不能大腸癌の全生存期間中央値は30ヶ月を超える時代に突入し、一次治療だけでなく、二次治療以降の治療戦略が非常に重要となってきました。今回は二次治療にフォーカスを当て、実際にどのように考え治療戦略を立てているのかについてディスカッションしていただきました。

はじめに

小高先生:
切除不能大腸癌の全生存期間(OS)中央値は30ヶ月を超える時代に突入しましたけれども、一次治療の無増悪生存期間(PFS)中央値は10ヶ月前後と横ばいです。二次治療以降の治療戦略が非常に重要で、今回は数多くの患者さんの診療にあたっている3人のオピニオンリーダーに集まっていただき、二次治療にフォーカスを当てて実際にどのように治療戦略を立てているのかについてディスカッションしていきたいと思います。
先生方、よろしくお願いいたします。
山﨑先生: 結城先生: 渡邉先生:
よろしくお願いします。
小高先生:
それでは、はじめに、日本の大腸癌治療ガイドラインについて、ガイドライン作成委員のお一人である山﨑先生からご説明いただきます。また、現在の日本の先生方の処方トレンドについてもお話しいただきます。山﨑先生、お願いいたします。
山﨑先生:
はい。本日は、『切除不能大腸癌に対する化学療法 ~二次治療について考える~』ということで、ディスカッションのベースとなる資料を少しサマライズさせていただきます。

切除不能大腸癌に対する化学療法 ~二次治療について考える~

【Summary】二次治療で選択可能なレジメン

いま小高先生からお話しがあったとおり、切除不能大腸癌の予後は延びてきたのですが、それに伴い治療が複雑化してきています。図1は、現在の大腸癌治療ガイドラインに掲載されている薬物療法のアルゴリズムです。本日のテーマである二次治療においても、多くの選択肢があります。

図1