第7回座談会
-Intermediate stage HCCに対するTACEの治療戦略-

TKIに続いて免疫チェックポイント阻害薬が登場し、進行HCC(肝細胞癌)の治療は大きく変わろうとしています。一方、Intermediate stage HCCに対してはどの治療法を選択したらいいのか悩まれている先生方も多いと思います。そこで本日はIntermediate stage HCCの治療戦略についてスペシャリストの先生方とディスカッションしていきたいと思います。

Intermediate stage HCCに対するTACEの治療戦略

上野先生:
 まず池田先生にBCLCステージとIntermediate stage HCCの概要を簡単におさらいしていただき、寺島先生にはintermediate stage HCC の標準治療であるTACE(肝動脈化学塞栓療法)の現状を紹介していただきます。では池田先生、お願いします。
池田先生:
 皆さんご存知の通りHCCはBCLCステージにおいてEarly stage、Intermediate stage、Advanced stage、End stageに分かれ、Intermediate stageに対してはTACEが標準治療に位置付けられています。しかしIntermediate stageは雑多な集団、つまり腫瘍径や腫瘍数などが様々な、いわゆるheterogeneousな幅広い集団であるため、すべてがTACEの適応になるわけではなく、治療戦略としては細分化すべきとの声が上がっています。Intermediate stage HCCには腫瘍が多発しているBCLCステージBだけでなく、単発で腫瘍径5cm以上のBCLCステージAも含めたほうがいいとの考えから、APPLE(Asia Pacific Primary Liver Cancer Expert Meeting)ではその定義で進める予定です。(図1)

図1