第12回座談会 大腸がん座談会 ASCO2022を振り返って 第二部
-TRIPLETE TRIAL-

  

第12回座談会はASCO2022を終えて大腸癌の一次治療の話題をディスカッションするというテーマで、佐野病院 消化器がんセンターの小高雅人先生、静岡がんセンター 消化器内科の山﨑健太郎先生と北海道大学 消化器内科の結城敏志先生にお集まりいただきお送りいたします。第二部はASCOで発表されたTRIPLETEについてご解説頂き、それを踏まえたディスカッションをしていただきました。

TRIPLETE TRIAL

結城先生:
 TRIPLETE試験についてご説明します。抗EGFR抗体薬を一次治療に使用する場合のテンプレートは2剤併用がよいのか3剤併用がよいのかを検証した試験です。

3剤併用+抗EGFR抗体薬の比較試験としてはVOLFI試験とDEEPER試験が報告されています(図21)。有効性をみてみますと、VOLFI試験は3剤併用単独(FOLFOXIRI) vs 3剤併用+抗EGFR抗体薬の比較試験ですが、奏効割合など複数の点で3剤併用+抗EGFR抗体薬の優越性を示しています。DEEPER試験は3剤併用+ベバシズマブ vs 3剤併用+抗EGFR抗体薬の比較試験ですが、主要評価項目である最大腫瘍縮小率において3剤併用+抗EGFR抗体薬の優越性が示されました。

図21