第13回座談会 肝臓座談会 第一部
-Early stage HCCの治療-

 

第13回座談会は、肝細胞癌の治療「Early stage・Intermediate stage・Advanced stage」について、国立がん研究センター東病院 肝胆膵内 科長 池田公史 先生、近畿大学医学部 消化器内科 上嶋 一臣 先生、千葉大学医学部附属病院 消化器内科 小笠原 定久 先生、武蔵野赤十字病院 副院長・消化器科 部長 黒崎 雅之 先生にお集まりいただき、各々についてのレクチャーとディスカッションを行いました。

Early stage HCCの治療 レクチャー

黒崎先生:
 私からはEarly stage HCCの治療に関し、全体像として「ガイドラインでの推奨治療」、「SURF TrialからみたEarly stage HCCの再発」、「Early stageからの2相性再発(micro-metastasisとDe novo発がん)」、「背景肝への治療介入(De novo 発がん抑制)」について解説し、その後「アジュバント治療(IMbrave050 試験)」と「米国癌学会(AACR)でのディスカッション」のテーマでお話しさせていただきたいと思います。

ガイドラインでの推奨治療

 Early stageの推奨治療はご存じのとおり、BCLC分類でVery early stageあるいはEarly stageは基本的にAblation(焼灼)かResection(切除)となり「not feasible or failure」の場合においてのみTACEが選択されるというフローになっています(図1)。

図1