A randomized phase II/III trial comparing hepatectomy followed by mFOLFOX6 with hepatectomy alone for liver metastasis from colorectal cancer: JCOG0603 study.
First Author : Keun Won Ryu, et al.
大腸癌肝転移切除後患者を対象としたフルオロウラシル/l-ロイコボリンとオキサリプラチン併用補助化学療法(mFOLFOX6) vs. 手術単独によるランダム化第2/3相試験 JCOG0603試験
背景
技術的に切除可能な大腸癌肝転移に対しては、根治と長期生存を考慮すると切除が第一の治療選択肢となる1)。しかしながら、切術後には半数以上が再発するため、その周術期治療を考慮する必要がある2)。切除可能肝転移を対象とした40983試験(EORTC)では、術前mFOLFOX6療法がPFSを延長させることが報告されている。しかし全生存期間に関しては周術期治療の効果は証明されていない3)。
目的
大腸癌肝転移治癒切除後の患者を対象として、オキサリプラチン併用5-FU/l-leucovorin療法(mFOLFOX6)の術後補助化学療法の安全性と有用性を、標準治療である肝転移切除単独療法とのランダム化第2/3相試験にて検証することだった。
対象と方法
対象は、大腸癌の原発巣と肝転移巣とに治癒切除が行われた年齢20−75歳、ECOG performance status(PS) 0-1、 臓器機能が保持されている患者とされた。同時性肝転移の場合は、術前の画像診断にて肝転移以外の他臓器転移が認められず術後の癌遺残度が R0と判断される症例。異時性肝転移の場合は、肝転移のみで初回再発し、肝転移切除にて肉眼的に遺残なく(R0)切除されたと判断されている症例が対象とされた。また、登録は肝転移切除後、42~70日であり、登録前4週間以内のCTまたはMRIで、肝臓以外の遠隔転移・再発を認めないことが確認され、化学療法(肝動注を含む)・放射線療法の既往がなく、肝転移に対してラジオ波焼灼術などの熱凝固療法や凍結療法の既往(肝転移切除時の併用も含む)がないことが条件とされた。
図1.試験デザイン
調整因子は、施設、同時性肝転移/異時性肝転移、病理組織学的所見における肝転移個数(3個以下/4個以上)、切除標本上の肝転移最大径(5cm未満/5cm以上)、病理組織学的初見における辮髪相リンパ節転移個数(不明/3個以下/4個以上)とし、A群(手術単独群)とB群(術後補助化学療法群)に1:1でランダム化された。