Trastuzumab with trimodality treatment for esophageal adenocarcinoma with HER2 overexpression: NRG Oncology/RTOG 1010.
First Author : Safran H, et al.
HER2陽性切除可能食道腺癌に対するトラスツズマブを用いた集学的治療(NRG oncology/RTOG1010)
背景
食道原発の腺癌では、19-32%がHER2陽性であることが知られている。HER2陽性の切除不能進行再発胃癌・胃食道接合部癌の一次治療では、トラスツズマブの併用が予後の延長を示している(ToGA試験)が、切除可能胃癌・胃食道接合部癌の治療についてや、食道癌の治療におけるトラスツズマブ併用の意義は明らかでない。
そのような中で、切除可能食道腺癌に対し、トラスツズマブ+パクリタキセル+カルボプラチンおよび50.4Gyの放射線照射を併用する術前治療を行った後に根治手術を施行するTrimodality therapyは、既に行われた第1/2相試験1)において高い安全性と有効性が示されている。今回さらなる検証を目的として第3相試験が行われた。
対象と方法
本試験では、以下の基準を満たすHER2陽性切除可能食道腺癌を対象とし、2群へ1:1のランダム化割り付けが行われた(層別化因子:リンパ節腫脹の有無、腹腔リンパ節腫脹の有無)。術前検査として全例でCTおよびPET検査が施行され、CTおよびPETでリンパ節転移が認められない症例ではさらにEUSが追加された。
主な適格基準:
- 臨床病理診断がT1N1-2、T2-3N0-2の中部もしくは遠位食道癌(門歯25cmより病変が下部にあること)、胃食道接合部癌(胃浸潤は5cmまで許容)。腹腔リンパ節腫脹は許容される(リンパ節径が2cm以内であること)。