2020 Virtual Scientific Program American Society of Clinical Oncology®

Abstract 4504 膵癌


SWOG S1505: Results of perioperative chemotherapy (peri-opCTx) with mfolfirinox versus gemcitabine /nab-paclitaxel (Gem/nabP) for resectable pancreatic ductal adenocarcinoma(PDA).

First Author : Davendra P. S, et al.

切除可能膵管癌に対するmFOLFIRINOX療法とゲムシタビン+ナブパクリタキセル併用療法による周術期化学療法の比較試験

背景

本邦ではPrep02/Jsap05試験により、ゲムシタビン+S-1併用療法による術前補助化学療法と、術後のS-1による術後補助化学療法が標準治療となった。世界的には切除と術後補助化学療法が標準治療であるが、術後補助化学療法を行えないことや、膵がんは発症から全身病と言われており、早期に遠隔転移を認めることがあり、その予後は十分ではない。多剤併用レジメンを用いた強力な術前化学療法は、早期から遠隔転移を抑制することができ、化学療法を効率よく行うことができ、切除を行っても予後不良な患者を除外することができるため、真に切除が必要な患者を選択できると考えられた。

対象と方法

 主な適格規準は、病理学的に膵管癌と診断されている、膵管癌に対する治療歴がない、造影CTまたはMRIにて切除可能と診断されている、ECOG PS 0または1であることだった。適格患者は、Modified FOLFIRINOX療法(Arm 1:フルオロウラシル, 2400 mg/m2; オキサリプラチン, 85 mg/m2; イリノテカン, 180 mg/m2、2週毎)とゲムシタビン+ナブパクリタキセル併用療法(Arm 2:ゲムシタビン, 1000 mg/m2;ナブパクリタキセル, 125 mg/m2、3投1休)に1対1の割合で割り付けられた。術前化学療法を12週行ったのちに画像評価し、切除可能と判断された場合は切除を行い、さらに術後に術前と同じレジメンの化学療法を12週間行った(図 1)。術前治療中に減量した場合は、術後治療においても減量して開始した。G-CSFの予防投与は行わなかった。

図1.スタディシェーマ

Abstract 4015
(発表者の許可を得て掲載)

 本試験はランダム化第2相試験であり、主要評価項目である2年生存割合の閾値を40%とし、検出力88%、片側α0.05として、期待値58%を超えた治療を有望な治療と判断した。両群ともに期待値を上回った場合はいずれかより良好な治療群を選択こととし、全生存期間のハザード比1.4、検出力90%、片側α0.05のもと、各群50人・計100人が必要と算出された。

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