Annual Meeting of the American Society of Clinical Oncology

Abstract 4006 胆道癌


Liposomal irinotecan (nal-IRI) in combination with fluorouracil (5-FU) and leucovorin (LV) for patients with metastatic biliary tract cancer (BTC) after progression on gemcitabine plus cisplatin (GemCis): Multicenter comparative randomized phase 2b study (NIFTY).

First Author : Changhoon Yoo, et al.

ゲムシタビン+シスプラチン併用療法(GemCis)後の転移性胆道癌患者に対するリポソーム型イリノテカン(nal-IRI)とフルオロウラシル(5-FU)、ロイコボリン(LV)の併用療法:多施設無作為化比較第2b相試験(NIFTY試験)。

背景

 切除不能・転移性胆道癌に対してGemCis療法後に進行した症例の二次治療は、世界的に標準治療として確立していない。日常臨床ではフッ化ピリミジンベースの化学療法が行われているが、無作為化比較試験による検討がなされていない。FGFR融合遺伝子に対するFGFR阻害薬とIDH-1変異に対するIDH-1阻害薬は臨床的に有効であることが示されているが、これらの薬剤の恩恵を受けられるのはせいぜい20%の患者である。ABC-06試験によって、二次治療としてFOLFOX療法を行うことで、積極的な症状コントロールのみを行った患者と比べて、全生存期間が延長したことが示されたが、まだその治療成績は十分とは言い難い。Gem耐性の膵癌に対するNal-IRI+5-FU/LV療法は、NAPOLI-1試験の結果、プラセボと比較して無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)の延長が示された。胆道癌でもNal-IRIによる治療が有効である可能性がある。一次治療でGemCis療法を行った転移性胆道癌患者を対象として、二次治療としてNal-IRI+5FU/LVと5FU/LVを比較した多施設共同非盲検無作為化比較第2b相試験(NIFTY試験)が行われた。

対象と方法

 対象は19歳以上で、ECOG PSが0もしくは1、組織学的に転移性胆道癌と確認され、一次治療でGemCis療法を行って病勢の進行が確認されるも二次治療は受けておらず、臓器機能が保たれた174名の患者だった。患者を原発巣、根治切除歴、参加施設で層別化した。患者はNal-IRI(70mg/m2, 90分)+5-FU(2400mg/m2, 46時間)/LV(400mg/m2, 30分)を2週に1回投与する群と、5-FU(2400mg/m2, 46時間)/LV(400mg/m2, 30分)を2週に1回投与する群に1対1で無作為に割り付けられた。主要評価項目は、盲検下の独立中央審査(BICR)によるPFSとして、副次評価項目は、担当医師によるPFS、OS、全奏効割合(ORR)、安全性、QoLとした(図1)。

図1.試験デザイン

Abstract 4006
(発表者の許可を得て掲載)

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