Nivolumab (NIVO) plus ipilimumab (IPI) or NIVO plus chemotherapy (chemo) versus chemo as first-line (1L) treatment for advanced esophageal squamous cell carcinoma (ESCC): First results of the CheckMate 648 study.
First Author : Ian Chau, et al.
前治療歴のない進行食道扁平上皮癌へのニボルマブとイピリムマブ併用、あるいはニボルマブと化学療法併用療法vs化学療法の第3相試験:CheckMate648試験の初回解析
背景
- ATTRACTION-3試験においてニボルマブ(NIVO)単独療法は、タキサン系薬剤による化学療法に比べ、前治療歴のある食道扁平上皮癌(ESCC)の予後を有意に改善することが示されている1)。CheckMate648試験は、前治療歴のないESCCに対する標準的な化学療法(Chemo単独群)と、NIVO+Chemo併用、およびNIVO+イピリムマブ(IPI)併用療法の有効性、安全性を検討した初の第3相国際共同試験である。今回、NIVO+Chemo群 vs Chemo単独群、およびNIVO+IPI群 vs Chemo単独群の初回解析結果が報告された。
試験概要
- 患者はNIVO(240㎎、2週毎)+Chemo(フルオロウラシル+シスプラチン、4週毎)群、NIVO(3mg/kg、2週毎)+IPI(1㎎/kg、6週毎)群、およびChemo単独(フルオロウラシル+シスプラチン、4週毎)群の3群に1:1:1にランダムに割り付けられた。
- 主な適格基準は、切除不能/再発/転移性のESCC、ECOG PS0-1、前治療歴なし、測定可能病変あり、だった。
- 層別化因子は、腫瘍細胞におけるPD-L1発現(≥1% vs <1%)、地域(東アジア vs その他アジア vs その他)、ECOG PS (0 vs 1)、転移臓器数 (≤1 vs ≥2)だった。
- 主要評価項目は、PD-L1≥1%の患者集団における全生存期間(Overall survival:OS)および中央判定による無増悪生存期間(Progression free survival:PFS)であり、副次評価項目はPD-L1≥1%の患者集団おける奏効割合(ORR)、全患者集団におけるOS、PFS、およびORRだった。
- データカットオフは2021年1月18日、最終症例登録から12.9か月経過時点だった。
統計事項
- 本試験は、試験治療によりPD-L1≥1%の患者集団において40%の死亡リスク低下を検出 (HR=0.6、検出力90%、αエラー1%(両側)、症例数:313)、また、全患者集団において32%の死亡リスク低下を検出((HR=0.68、検出力94%、αエラー1%(両側)、症例数:626)するよう設計された(図1)。