Annual Meeting of the American Society of Clinical Oncology® 2022

Abstract 4005 神経内分泌腫瘍


NET-02: A multicenter, randomized, phase II trial of liposomal irinotecan (nal-IRI) and 5-fluorouracil (5-FU)/folinic acid or docetaxel as second-line therapy in patients (pts) with progressive poorly differentiated extra-pulmonary neuroendocrine carcinoma (PD-EP-NEC).

First Author : M. McNamara, et al.

NET-02試験:肺外原発進行神経内分泌癌に対する二次治療として、ナノリポソーマルイリノテカン+5-FU療法とドセタキセルのランダム化第2相試験

背景

神経内分泌腫瘍は全消化管癌のうち2%以下を占めるとされているが、近年増加傾向にある。神経内分泌腫瘍は高分化型(WD-NETs)と低分化型(PD-NECs)に大別され、PD-NECsは全神経内分泌腫瘍の10-20%程度である。PD-NECsのほとんどは肺原発であり、肺外原発は約9%である。肺外原発神経内分泌癌(PD-EP-NEC)はほとんどが進行期で発見され、予後不良な疾患である。
PD-EP-NECに対する治療は肺原発NECに対する治療と同様に、進行例に対する一次治療としてはプラチナ系薬剤による併用療法が標準治療として確立されているが、二次治療以降について標準治療は確立していない。イリノテカンを用いたFOLFIRI療法などが二次治療の選択肢の一つとされているが、臨床試験によるエビデンスはない。ナノリポソーマルイリノテカン(nal-IRI)はイリノテカンやその活性代謝物であるSN-38の腫瘍内濃度を上昇させる作用があり、1つのアームとして選択した。肺原発NECで二次治療の選択肢としてNCCNのガイドラインにも掲載されているドセタキセルを2つ目のアームとして選択した。

対象と⽅法

NET-02試験はPD-EP-NEC患者を対象とし、ナノリポソーマルイリノテカン(nal-IRI)+5-FU/フォリン酸(FA)併用療法群とドセタキセル療法群のうち、第3相試験へ進め得る治療レジメンの選択を目的として実施した多施設共同ランダム化第2相試験である。
治療は、A群:nal-IRI+5-FU療法ではnal-IRI(70 mg/㎡)+5-FU(2400 mg/㎡)+FAを14日毎に点滴静注、B群:ドセタキセル療法ではドセタキセル(75 mg/㎡)をG-CSFを併用して21日毎に点滴静注すると規定し、増悪または許容できない有害事象が生じるまで試験治療は行われた。
主な適格規準として、①病理組織学的に確認されたPD-EP-NEC(Ki67>20%, WHO 2019分類でGrade3)、②プラチナ系レジメンによる一次治療に対して不応・不耐、③ECOG PS≦2、④Ki-67>20%とした。層別化因子は、施設、Ki-67、ECOG PS、肝転移、前治療のプラチナ系レジメンに対する治療効果として、nal-IRI+5-FU/FA療法(A群)とドセタキセル療法(B群)に1:1にランダム化割り付けが行われた。
主要評価項目は6ヶ月無増悪生存割合、副次評価項目は、奏効割合、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)および安全性と設定された。
6ヶ月無増悪生存割合が15%未満であれば無効、少なくとも30%以上であれば有効と判断すると仮定し、A'Hernデザインを用いて5%の不適格例を見込んで102例の登録予定とした(片側α=0.05、検出力80%)。本試験では両レジメンの優越を評価することではなく、それぞれのレジメンが一定の有効性を示すかどうかを評価することが目的だった。(図1)

図1 試験デザイン

Abstract 4005
(発表者の許可を得て掲載)

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