Circulating tumor DNA and recurrence risk in stage II-III gastric cancer.
First Author : Shu-Qiang Yuan, et al.
ステージ2-3胃癌における血中循環腫瘍DNAと再発リスク
背景
血中循環腫瘍DNA(ctDNA: Circulating tumor DNA)の測定が、微小残存病変(MRD: minimal residual disease)および根治的治療後の再発予測に有用であることは、多くの固形がんで報告されている1-2)。しかしながら、切除可能進行胃癌におけるctDNAの意義は依然として不明確であり、今回、胃癌の再発予測におけるctDNAの有用性を前向き観察研究で検討した。
対象と⽅法
2016年10月から2019年6月にステージ2もしくは3の切除可能な胃癌患者100例が登録された(NCT02887612)。周術期と術後補助化学療法後の血漿サンプルや腫瘍組織検体を用いて、425の癌関連遺伝子に対してターゲットシーケンスを行う遺伝子パネル検査を行った。患者血漿から検出された体細胞変異が、原発の腫瘍組織の少なくとも2%に存在した場合にctDNA陽性とした。
結果
- 手術前にctDNA陽性であった患者は38人だったが、再発との関連はなかった。
- 手術直後(中央値で術後4日)にctDNA陽性の患者は25人で、陰性の患者に比べて再発リスクは高かった(無再発生存期間、ハザード比 2.74(95%CI: 1.37–5.48)、P = 0.003)(図1)。