Annual Meeting of the American Society of Clinical Oncology® 2022

LBA1001 乳癌


Primary results from TROPiCS-02: A randomized phase 3 study of sacituzumab govitecan (SG) versus treatment of physician’s choice (TPC) in patients (Pts) with hormone receptor–positive/HER2-negative (HR+/HER2-) advanced breast cancer.

First Author : Hope S. Rugo, et al.

ホルモン受容体陽性HER2陰性(HR+HER2-)乳癌に対するsacituzumab govitecanと医師が選択した化学療法の比較における、二重盲検化無作為介入第3相試験(TROPiCS-02試験)

背景と⽬的

HR+HER2-乳癌は転移性乳癌のうちで最も頻度が高いサブタイプ(~70%)であり、標準治療は内分泌療法、Cyclin-dependent kinase 4-6 (CDK4/6)阻害薬を主体とし、それらに対して不応性となった場合には化学療法が考慮されるが、その奏効割合は、特に複数の治療歴がある症例に関してはあまり期待することができない。Sacituzumab govitecan (SG)は乳癌に高度に発現しているTrop2をターゲットとするモノクローナル抗体に、トポイソメラーゼ1阻害薬であるSN38を共有結合させた抗体薬物複合体(ADC)である。化学療法治療歴のあるトリプルネガティブ乳癌では、その抗腫瘍効果が認められており、アメリカ食品医薬品局で承認された。切除不能と考えられるHR+HER2-乳癌に対しては、先行して行われた第1/2相試験(IMMU-132-01試験)でその安全性と抗腫瘍効果が認められた。TROPiCS-02試験は、これまで内分泌療法、CDK4/6阻害薬、化学療法治療歴のあるHR+HER2-乳癌に対して、SGが、標準治療である化学療法と比較してより抗腫瘍効果があるのかを評価するために行われた第3相試験である (NCT03901339)。

対象と⽅法

切除不能な局所進行病変、ないし転移病変のあるHR+HER2-転移乳癌で、内分泌療法1レジメン、CDK4/6阻害薬1レジメン、タキサンを含む化学療法が2レジメンから4レジメンの治療歴のある患者が対象となった。登録された症例を1:1に、SG群(10 mg/kg 静脈注射 第1日、8日投与 21日周期)ないし医師選択化学療法群(TPC; カペシタビン、エリプリン、ビノレルビン、ゲムシタビンいずれか)に無作為に割り付けられた。層別化因子は臓器転移(あり/なし)、6か月以上の転移乳癌に対する内分泌治療歴がある(あり/なし)、化学療法治療歴(2ライン、ないし3または4ライン)だった。主要評価項目は盲検化中央判定で評価された無再発生存期間(PFS)、キーとなる副次評価項目は全生存期間(OS)だった。PFSの帰無仮説を棄却出来た場合のみ、OSの評価に移行、それが統計学的有意であった場合、奏効割合の評価に移行する試験デザインだった。(図1)。

図1 試験デザイン

LBA1001
(発表者の許可を得て掲載)

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