Novel Simple Prognostic Index (NJHSG-PI) Can Effectively Predict Prognosis in Patients with Newly Diagnosed DLBCL : A Real World Analysis across 14 Cancer Centers in Japan
First Author : Koh Izumiyama et al.
新規簡易予後予測指標(NJHSG-PI)は新規診断DLBCL患者の予後を効果的に予測できる:日本の14のがんセンターにおけるリアルワールド解析
背景
Maurerら(J Clin Oncol, 2014)は、アメリカやフランスのびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)患者で24カ月時点の無イベント生存(EFS24)を達成した患者の全生存率が、年齢と性別を合わせた一般集団(GP)のそれと同等であることを示した。しかし、まだ他国では厳密な検証はされておらず、再現性のない報告もある。そこで、EFS24を達成した日本の実臨床DLBCL患者の全生存期間(OS)を日本人GPのそれと比較した。
対象と⽅法
この多施設解析では、新たにDLBCLと診断された合計2182名の患者を後方視的に評価した。ダブルヒットリンパ腫、中枢神経原発DLBCL、T細胞/組織球に富む大細胞型B細胞リンパ腫、縦隔原発大細胞型B細胞リンパ腫、血管内リンパ腫、形質転換リンパ腫はこの解析では除外した。すべての患者は、2008年から2018年の間に、初回治療としてリツキシマブとアントラサイクリンベースの免疫化学療法(ICT)による治療を受けた。EFSは、初回ICTから再発または進行、初回ICT後のリンパ腫の予定外の再治療、または何らかの原因による死亡までの期間と定義した。OSは、全患者について初回ICTから、またはEFS12、EFS24、EFS48、EFS60を達成した患者については、それぞれEFS12、EFS24、EFS48、EFS60を達成してから何らかの原因による死亡までの期間とした。それぞれのOSは、背景を合わせた日本のGPデータと比較し、標準化死亡率(SMR)を算出した。
結果
年齢中央値は71歳(範囲19〜99歳)、53%が男性だった。追跡期間中央値3.4年の時点で、976人(45%)にイベントが発生し、651人(30%)が死亡した。EFS12、EFS24、EFS48、EFS60の推定生存率の割合は、それぞれ72.9%、64.5%、55.7%、53.2%であった。ICT導入時の標準化死亡率(SMR)は3.50(95%CI 3.24 to 3.78;p<0.0001;図1)であり、背景を揃えた日本人GPと比較して、患者の生存率は有意に低下していることがわかった。無病状態を維持することで生存率は向上したが、EFS12(SMR 2.32; 95% CI 2.07 to 2.39; p < .0001)およびEFS24(SMR 1.71; 95% CI 1.24 to 1.86; p < .0001; 図1)では依然としてSMRは有意に高かった。EFS48(SMR 1.34; 95% CI 0.98 to 1.67; p = .0679)とEFS60(SMR 1.27; 95% CI 0.88 to 1.68; p = .2146;図1)を達成した患者のみがマッチした日本人GPのOSと同等であることが示された。