Management of adverse events associated with encorafenib plus cetuximab in patients with BRAF V600E mutant metastatic colorectal cancer (BEACON CRC Study).
First Author : Chiu CF, et al.
BRAF V600E変異陽性の転移性大腸癌に対するエンコラフェニブ+セツキシマブ療法に関連する有害事象マネージメント(BEACON CRC試験)
背景
2020年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)において、BEACON CRC試験のupdate解析が報告され、BRAF V600E変異陽性大腸癌に対するエンコラフェニブ(BRAF 阻害薬)+セツキシマブ療法はコントロールアームであるFOLFIRI or イリノテカン+セツキシマブ療法と比較して生存期間を有意に延長し、高い奏効割合を示した(図1)。
図1. Update解析@ASCO 2020
BEACON CRC試験における全有害事象(全GradeおよびGrade 3以上)の発生頻度は3群間に大きな差違はなかった(図2)。FDAで承認となったエンコラフェニブ+セツキシマブ療法における有害事象は消化器関連有害事象、皮膚関連有害事象、その他の有害事象に分けられるが、それぞれの管理ポイントが報告された。
表1-2. 有害事象
消化器関連有害事象
消化器関連有害事象には下痢や悪心、嘔吐が含まれ、エンコラフェニブ+セツキシマブ療法の有害事象として最も高頻度に報告された。しかし、これらの有害事象は標準治療群(FOLFIRI or イリノテカン+セツキシマブ療法)と比し、エンコラフェニブ+セツキシマブ療法では低頻度であり、用量調整や治療中止に至った症例はわずかであった。
下痢に対する支持療法
- 食事の工夫(少量の食事を回数を増やして摂取する)
- 食物線維の摂取を減らす
- 水分摂取量を増やす
- 塩分の喪失を補う
- ロペラミドによる治療を検討する
悪心/嘔吐に対する支持療法