ESMO Asia Virtual Congress 2020

Abstract 85MO 大腸癌


Management of adverse events associated with encorafenib plus cetuximab in patients with BRAF V600E mutant metastatic colorectal cancer (BEACON CRC Study).

First Author : Chiu CF, et al.

BRAF V600E変異陽性の転移性大腸癌に対するエンコラフェニブ+セツキシマブ療法に関連する有害事象マネージメント(BEACON CRC試験)

背景

 2020年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)において、BEACON CRC試験のupdate解析が報告され、BRAF V600E変異陽性大腸癌に対するエンコラフェニブ(BRAF 阻害薬)+セツキシマブ療法はコントロールアームであるFOLFIRI or イリノテカン+セツキシマブ療法と比較して生存期間を有意に延長し、高い奏効割合を示した(図1)。

図1. Update解析@ASCO 2020

Abstract 85MO
(発表者の許可を得て掲載)

 BEACON CRC試験における全有害事象(全GradeおよびGrade 3以上)の発生頻度は3群間に大きな差違はなかった(図2)。FDAで承認となったエンコラフェニブ+セツキシマブ療法における有害事象は消化器関連有害事象、皮膚関連有害事象、その他の有害事象に分けられるが、それぞれの管理ポイントが報告された。

表1-2. 有害事象

Abstract 85MO
(発表者の許可を得て掲載)

消化器関連有害事象

 消化器関連有害事象には下痢や悪心、嘔吐が含まれ、エンコラフェニブ+セツキシマブ療法の有害事象として最も高頻度に報告された。しかし、これらの有害事象は標準治療群(FOLFIRI or イリノテカン+セツキシマブ療法)と比し、エンコラフェニブ+セツキシマブ療法では低頻度であり、用量調整や治療中止に至った症例はわずかであった。

下痢に対する支持療法

  • 食事の工夫(少量の食事を回数を増やして摂取する)
  • 食物線維の摂取を減らす
  • 水分摂取量を増やす
  • 塩分の喪失を補う
  • ロペラミドによる治療を検討する

悪心/嘔吐に対する支持療法

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