526PD
TRIUMPH: Primary efficacy of a phase II trial of trastuzumab (T) and pertuzumab (P) in patients (pts) with metastatic colorectal cancer (mCRC) with HER2 (ERBB2) amplification (amp) in tumour tissue or circulating tumour DNA (ctDNA): A GOZILA sub-study
背景
ERBB2(HER2)遺伝子の増幅は、切除不能進行再発大腸癌の約4%の患者で認めらる1)。これまでにHER2陽性大腸癌に対してHER2を標的とした治療の有効性が報告されている2)-4)。今回、組織またはctDNAにてERBB2(HER2)遺伝子増幅を有する切除不能進行再発大腸癌に対するトラスツズマブ+ペルツズマブ併用療法の有効性と安全性を評価する多施設共同第II相試験(TRIUMPH)を実施した。
対象と方法
対象は抗EGFR抗体薬を含む標準治療に不応不耐、かつ腫瘍組織にてRAS遺伝子野生型の切除不能進行再発大腸癌。腫瘍組織でHER2陽性(IHC3+)またはFISH陽性(ERBB2/CEP比が2.0以上)、およびctDNAによるNGS(Guardant360)にてERBB2遺伝子増幅が確認された症例をERBB2遺伝子増幅例と判定した。
登録例に3週ごとにトラスツズマブ(初回8mg/kg、2回目以降6mg/kg)、ペルツズマブ(初回840mg、2回目以降420mg)が投与された。主要評価項目は研究者による客観的奏効割合(ORR)であり、(1)腫瘍組織でERBB2増幅が確認された症例と(2)ctDNAでERBB2増幅が確認された症例の各々で評価された。ORRの閾値を5%、期待値を30%、片側有意水準を2.5%、検出力を90%と設定し、必要症例数は25例、帰無仮説の棄却には少なくとも5例の奏効が必要とされた。副次的評価項目は、無増悪生存期間(PFS)、奏効期間(DOR)、治療成功期間(TTF)、病勢制御率(DCR)、全生存期間 (OS)、安全性とした。
結果
2019年1月17に最初の腫瘍縮小効果の評価を実施し、その時点で7施設より19例が本試験に登録され、18例が評価可能であった(表1)。