Abstract LBA90
Primary analysis results of randomized controlled trial evaluating reactive topical corticosteroid strategies for the facial acneiform rash by EGFR inhibitors(EGFRIs) in patient(pts) with RAS wildtype(wt) metastatic colorectal cancer(mCRC) -FAEISS study-.
First Author : Yamazaki N, et al.
背景
EGFR阻害薬は顔面のざ瘡様皮疹を含む皮膚の有害事象を発症し、過去の臨床試験において、顔面のざ瘡様皮疹の発症頻度は60-90%と報告されている。セツキシマブやパニツムマブの治療を受けた日本人症例において、予防療法を行わなかった際の皮膚有害事象は1−15日以内に発症する。
本試験はEGFR阻害薬によって発症した顔面のざ瘡様皮疹に対して、ステロイド局所療法をweakレベルから段階的にランクupする方法と、very strongレベルから段階的にランクdownする方法を比較し、有効性を評価することを目的にデザインされた。
今回の報告は、セツキシマブもしくはパニツムマブの投与を受けた転移性結腸直腸がん症例の解析結果である。
対象と方法
First phaseとして、年齢 20-79歳でECOG PS 0-1のセツキシマブもしくはパニツムマブが投与される大腸がん症例とアファチニブもしくはエルロチニブが投与される肺がん症例が合わせて250例集積された。全症例が予防療法として、EGFR阻害薬開始時から、100もしくは200mg/日のミノサイクリン内服とヘパリン類似物質による保湿が行われた。EGFR阻害薬により皮膚毒性が発生した際には、顔面のざ瘡様皮疹に対してweakレベル、顔面以外(頚部・体幹・四肢)にはstrongもしくはvery strongのステロイド塗布を開始した。治療開始から8週以内に顔面のざ瘡様皮疹が生じなかった症例や、Grade 3となった症例はプロトコール治療終了となり、Grade 1-2の顔面のざ瘡様皮疹を生じた症例(結腸直腸がん症例:100例以上)が二次登録された。二次登録された症例は施設・EGFR阻害薬の種類・性別を層別化因子として、ランクup群(UP group)とランクdown群(DOWN group)とに割り付けられた(Second phase)。UP groupはweakランクのステロイドから開始し、顔面のざ瘡様皮疹のGradeが増悪した際にステロイドのランクupを行い、DOWN groupはvery strongのステロイドから開始し、顔面のざ瘡様皮疹のGradeが増悪しなければ2週毎にランクdownを行った。(図1)
図1
主要評価項目は、皮膚治療期間10週の間のGrade 2(moderate)以上の顔面のざ瘡様皮疹の発生数、副次的評価項目はGrade 2以上の顔面のざ瘡様皮疹の発生率、Grade 3(severe)以上の顔面のざ瘡様皮疹の発生率、有害事象などであった。