ESMO Virtual Congress 2020

Abstract 1157O 膵癌


A multi-cohort phase II study of durvalmab plus tremelimumab for the treatment of patients with advanced neuroendocrine neoplasms of gastroenteropancreatic or lung origin: The DUNE trial (GETNE 1601)

First Author : Jaume Capdevila, et al.

進行膵消化管NETもしくは肺原発の進行NENに対するデュルバルマブ+トレメリムマブ療法の多施設共同マルチコホート第2相試験 DUNE試験(GETNE-1601)

背景

 神経内分泌腫瘍(NENs)に対する免疫チェックポイント阻害薬の効果は限定的である。その理由として、cold neoplasmと言われるようにNENsは変異性の進行、PD-L1発現、リンパ球浸潤などが低いことによると考えられている。進行NENsに対するペムブロリズマブや、PD-1阻害薬スパルタリズマブの臨床試験報告では、ORR(全奏効割合)が5%未満で限定的ではあるものの、胸部高分化型NETに対してスパルタリズマブのORR(全奏効割合)が20%であるなど、興味深いデータもあった。一方で、PD-1阻害薬ニボルマブとCTLA-4阻害薬イピリムマブの併用療法は、高グレードのNENsに対してORR 44%と期待できる効果がみられている。
 PD-L1抗体薬デュルバルマブとCTLA-4抗体薬トレメリムマブの併用は免疫応答の活性化によりこれらの患者群に対し臨床的効果が期待できる。今回、進行膵消化管NENsと肺NENsに対するデュルバルマブ+トレメリムマブ併用療法の多施設共同第2相試験(DUNE試験)の結果が報告された。

対象と方法

 本試験の対象は、標準治療施行により進行がみられた進行膵・消化管・肺NENsであり、4つのコホートに分けて進行された。
 コホート1:前治療としてソマトスタチンアナログまたは分子標的治療薬、あるいは化学療法を行っている肺カルチノイド
 コホート2:前治療としてソマトスタチンアナログとエベロリムスあるいは放射線核種療法を行っているGrade1/2消化管NENs
 コホート3:前治療として化学療法、ソマトスタチンアナログと分子標的薬など、2-4ラインの全身治療を行ってきたGrade1/2膵NENs
 コホート4:1次治療としてプラチナ系化学療法を行ってきたGrade3膵消化管NENs
 試験治療の内容は、デュルバルマブ1500mg+トレメリムマブ75mgを4週毎に4サイクル投与し、その後はデュルバルマブ単剤療法を9サイクル投与する。その後は腫瘍の進行まで経過をみる。
 本試験の主要評価項目はコホート1-3においては9か月時点での完全奏効CR+部分奏効PR+安定SDとした臨床的奏効割合(Clinical Benefit Rate:CBR)、コホート4においては9か月時点での全生存期間(OS)である。副次評価項目として安全性、無増悪生存期間(PFS)、OS、奏効割合(ORR)、irRECISTによる奏効期間(DOR)、バイオマーカー分析とされた。サンプルサイズは有意水準を5%、検出力80%の片側検定として算出した。コホート1-3は、9か月時点におけるCBRの閾値30%,期待値を50%として各コホート28名の評価とした。コホート4は、9か月生存割合の閾値13%または期待値を23%として、30名の評価とした。(図1)

図1. 試験デザイン

Abstract 1157O
(発表者の許可を得て掲載)

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