ESMO Virtual Congress 2020

Abstract LBA6_PR 食道癌 胃癌


Nivolumab (nivo) plus chemotherapy (chemo) versus chemo as first-line (1L) treatment for advanced gastric cancer/gastroesophageal junction cancer (GC/GEJC)/esophageal adenocarcinoma (EAC): First results of the CheckMate 649 study

First Author : Markus Moehler

進行再発GC/GEJC/EAC患者の1次治療において、抗PD-1抗体薬を併用した治療の有効性を検証する国際無作為化非盲検第III相比較試験(CheckMate 649試験)

背景

 HER2陰性の進行再発胃癌(GC)または食道胃接合部癌(GEJC)の予後は不良であり、これまでに報告された1次治療例を対象とした臨床試験における全生存期間(OS)中央値は1年に満たないものがほとんどである。PD-1を阻害する免疫チェックポイント阻害薬であるニボルマブは、ATTRACTION-2試験1)の結果、既治療の進行再発GC/GEJCに対しplaceboに比較してOSが有意に延長したことから、本邦でも進行再発GC/GEJCの3次治療以降の標準治療に位置づけられている。また、先に報告されたATTRACTION-4試験の第II相部分の報告2)では、進行再発GC/GEJCに対し1次治療で化学療法とニボルマブを併用することで良好な抗腫瘍効果を認めたことから、第III相試験の結果が待たれていた。
 PD-L1を発現している腫瘍の方が抗PD-1抗体薬の治療効果が高いことは種々の癌腫で報告されている。GC/GEJC/食道腺癌(EAC)では、腫瘍のみのPD-L1発現を評価するよりも、腫瘍と腫瘍環境における免疫細胞のPD-L1発現を反映したCPS(combined positive score)[5以上]の方が、抗腫瘍効果が得られる対象を絞り込めることが報告されている。
 CheckMate 649試験は進行再発GC/GEJC/EAC患者の1次治療において、抗PD-1抗体薬を併用した治療の有効性を検証する国際無作為化非盲検第III相比較試験であり、本試験では事前設定された中間解析の結果が報告された。

対象と方法

 PD-L1発現の多寡によらず未治療の切除不能進行再発胃癌/食道胃接合部癌/食道腺癌(以下GC/GEJC/EAC)が対象とされたが、HER2陽性患者は除外された。患者はニボルマブ+イピリムマブ(抗CTLA-4抗体薬)群、ニボルマブ+chemo(FOLFOXもしくはXELOX)群、chemo群(FOLFOXもしくはXELOX)の3群に1:1:1で割り付けられ、今回、はニボルマブ+chemo群(789例) vs. chemo群(792例)の結果が報告された。
 層別化因子は腫瘍のPD-L1発現(≥ 1% vs < 1%)、地域(アジア vs 北米 vs それ以外)、ECOG PS(0 vs 1)、化学療法(XELOX vs FOLFOX)である。
 CheckMate 649試験の主要評価項目はPD-L1 CPS ≥ 5患者におけるOS、無増悪生存期間(PFS)の2つが設定され、副次的評価項目はPD-L1 CPS ≥ 10、PD-L1 CPS ≥ 1、もしくは無作為化された全患者のOS、PFS、奏効割合である。(図1)

図1.CheckMate 649試験デザイン

Abstract LBA6_PR
(発表者の許可を得て掲載)

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