ESMO Virtual Congress 2020

Abstract LBA9 食道癌


Adjuvant Nivolumab in Resected Esophageal or Gastroesophageal Junction Cancer (EC/GEJC) Following Neoadjuvant Chemoradiation Therapy (CRT): First Results of the CheckMate 577 Study

First Author : Kelly RJ, et al.

術前補助化学放射線療法後に切除を受けた食道および食道胃接合部がんに対する、術後補助療法としてのニボルマブの有効性と安全性を検証する多施設共同無作為化二重盲検第3相試験(CheckMate 577試験)の初回解析結果

背景

 術前補助化学放射線療法後に手術を行うTrimodality治療は切除可能な局所進行食道がんおよび食道胃接合部がん患者に広く行われている標準治療の一つである。しかし、このTrimodality治療後の再発率は高く、特に組織学的遺残を認めた症例では特に高率である。また、現時点で術後補助療法は確立していない。
 ニボルマブは既治療の切除不能進行/再発食道扁平上皮がん(vs 化学療法:ATTRACTION-3試験)1)及び胃/食道胃接合部がん(vs プラセボ:ATTRACTION-2試験)2)において生存期間の延長を示している。
 本試験は食道がん及び食道胃接合部がんに対して、Trimodality治療を行った後の術後補助療法としての免疫チェックポイント阻害薬(ニボルマブ)の有効性と安全性を検証した国際共同無作為化二重盲検比較第3相試験である。

対象と方法

 本試験の主な適格基準は、術前補助化学放射線療法後にR0切除を受けたStage II/IIIの食道がん/食道胃接合部がん症例であり、腺がん/扁平上皮がんが対象とされた。また、組織学的に遺残(≥ypT1 or ≥ypN1)を認め、ECOG PS 0-1が適格とされた。
 本試験には794例が登録され、2:1の比率でニボルマブ群(n=532)とプラセボ群(n=262)に無作為割り付けされた。層別化因子は組織型(扁平上皮がん vs 腺がん)、組織学的リンパ節転移の有無(≥ypN1 vs ypN0)、腫瘍細胞におけるPD-L1発現(1%以上 vs 1%未満)であった。治療期間は最長1年間とされ、ニボルマブ群は最初の16週は240mg/bodyを2週毎に、16週以降は480mg/bodyを4週毎に投与された。
 本試験の主要評価項目は主治医評価による無病生存期間(DFS)、副次的評価項目は全生存期間、1年/2年/3年生存割合であったが、生存期間に関しては今後報告予定とされ、本会では未報告であった。
 本報告のデータカットオフは2020年5月12日時点であり、観察期間中央値は24.4ヶ月(範囲 6.2-44.9ヶ月)であった。本試験の地域別登録状況は欧州 38%、米国/カナダ 32%、アジア 13%、その他の地域 16%であった。(図1)

図1. 試験デザイン

Abstract LBA9
(発表者の許可を得て掲載)

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