Abstract LBA22 大腸癌


Neoadjuvant Chemotherapy with Oxaliplatin and Capecitabine Versus Chemoradiation with Capecitabine for Locally Advanced Rectal Cancer with Uninvolved Mesorectal Fascia (CONVERT): Initial Results of A Multicenter Randomised, Open-label, Phase III Trial

First Author : Pei-Rong Ding, et al.

直腸間膜筋膜に浸潤のない局所進行直腸がんに対する術前治療としてのCapeOX療法の有用性をCapecitabine併用化学放射線療法と比較し検証する多施設共同ランダム化オープンラベル第3相試験(CONVERT試験)の初回解析

背景

 術前化学放射線療法は局所進行直腸がんに対する標準治療として日常診療で行われている。しかし、術前化学放射線療法による生存期間改善効果は確立されておらず、一方、放射線関連有害事象を誘発し、手術の難易度や合併症を増加させ、またQOLを低下させる。
 術前化学療法は今までに行われた複数の試験において有用性が示唆されているが、直腸間膜筋膜浸潤がある場合の有用性については疑問視されている。
 以上より、直腸間膜筋膜に浸潤のない局所進行直腸がんに対して、capecitabine併用術前化学放射線療法を対照に、術前CapeOX療法の有用性を検証する第3相試験(CONVERT試験)が実施された。

対象と方法

 対象は18-75歳、ECOG PS1以下の直腸間膜筋膜に浸潤のないStageⅡ/Ⅲの局所進行直腸がん。2019年4月までは肛門縁より5-12cmに位置する直腸がんが対象であったが、20219年4月以降は肛門縁より12cm未満に拡大された。StagingはMRIを用いて行われた。患者はnCT群(CapeOX [Oxaliplatin 130 mg/m2 on 1日目に内服, Capecitabine 1000 mg/m2 、1-14日目に1日2回内服 を3週毎] 4サイクル→手術→CapeOX 4サイクル)とnCRT群(Capecitbine+放射線治療 [Capecitabine 825 mg/m2を放射線照射日に1日2回内服+放射線照射50Gy/25fr]→手術→CapeOX 6サイクル)に割り付けられた。
 主要評価項目は3年局所無再発生存率、副次評価項目は無再発生存期間、全生存期間、pCR(pathological CR)率、TRG (tumor regression grade)、R0切除率、安全性、コンプライアンスおよび一時的回腸人工肛門造設の回避率であった。
 統計学的設定として、nCRT群の3年局所無再発生存率を93%と仮定し、検出力80%、両側α 0.05の設定で非劣性マージン 1.6を検証するための必要症例数は650例とされた。

図1 試験デザイン

Abstract LBA22
(発表者の許可を得て掲載)

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