Abstract LBA56 膵癌


Perioperative or only adjuvant nab-paclitaxel plus gemcitabine for resectable pancreatic cancer - results of the NEONAX trial, a randomized phase II AIO study

First Author : T. Seufferlein, et al.

NEONAX試験:切除可能膵癌に対するゲムシタビンとナブパクリタキセル併用療法による周術期の術前術後補助療法と術後補助療法の多施設共同ランダム化比較第2相試験

背景

 進行膵癌は、切除可能であったとしても予後不良な疾患である。予後改善のために、術前あるいは術後の補助化学療法の開発が行われているが、ゲムシタビン(GEM)単剤の治療よりもGEM+ナブパクリタキセル(nab-PTX)の併用療法とすることが良いのか、また、食道・胃・大腸癌のように術前術後の周術期に補助化学療法を行うことが良いのかなど、切除可能膵癌に対する周術期の補助化学療法に関する有用性は未だ十分に示されていない。
 NEONAX試験では、切除可能膵癌に対して、GEM + nab-PTX併用療法を用いて、周術期の術前術後補助化学療法と術後補助化学療法のランダム化比較試験を行った。

対象と方法

 組織学的または細胞学的に診断された切除可能膵癌患者を対象とし、周術期補助化学療法群(A群)と術後補助化学療法群(B群)にそれぞれ1:1の割合でランダムに割付した。
 治療は、nab-PTX:125 mg/m2、GEM:1000 mg/m2 をそれぞれ週に1回点滴静注する。これを3週投与し、その後1週休薬する4週を1サイクルの治療と定義した。A群では、術前補助療法として2サイクル、術後補助療法として4サイクル、施行した。B群では、術前補助療法は行わず、術後補助療法として6サイクル、施行した。
 本試験では、modified intention to treat(mITT)解析の対象は、A群では術前補助療法を実施しR0/R1切除が行われた患者、B群ではR0/R1切除が行われ術後補助療法を開始できた患者、とそれぞれ定義した。
 主要評価項目は、mITT解析によるランダム割付から18ヶ月での無病生存割合(DFS-R)、副次評価項目は、ITT解析による無病生存期間(DFS)、全生存期間(OS)、R0切除割合、QoL、及びA群では客観的奏効割合(ORR)と設定した。CONKO-001試験を参考にヒストリカルコントロールとしてランダム割付から18ヶ月でのDFS-Rを38 %とし、mITT解析にて55 %への改善を期待して設定した(α=0.1、検出力80%)。ただし両群において、予定した治療コースからそれぞれ30 %の脱落があると想定(A群では術前補助療法で15 %の増悪と想定)した。(図1)

図1 試験デザインと患者背景

Abstract LBA56
(発表者の許可を得て掲載)

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