ESMO World Congress on Gastrointestinal Cancer 2020

Abstract O-12 胃癌


KEYNOTE-061: response to subsequent therapy following second-line pembrolizumab or paclitaxel in patients with advanced gastric or gastroesophageal junction adenocarcinoma.

First Author : Harry H.Yoon, et al.

進行胃/胃食道接合部がんに対し二次治療としてpembrolizumabもしくはpaclitaxelを受けた症例に対する後治療の有効性(KEYNOTE-061試験からの追加解析)

背景

 切除不能進行再発胃/食道胃接合部がんに対する二次治療として、pembrolizumabとpaclitaxelを比較するランダム化第3相試験(KEYNOTE-061)が行われ、CPS≧1のグループにおいてpembrolizumabはpaclitaxelと比較し無増悪生存期間および全生存期間の統計学的有意な延長を示すことが出来なかった1)
 ASCO2020 virtual meetingにて2年間のフォローアップ後のupdate analysisが発表され、やはりpembrolizumab群は無増悪生存期間の延長は認めなかった(1.5ヶ月対4.1ヶ月)。しかし全生存期間の延長を認め(9.1ヶ月対8.3ヶ月)、試験治療増悪後の治療の影響が示唆された。
 近年他癌腫では、抗PD-1/PD-L1抗体薬は後治療の効果を増強する可能性が示唆されている。Paclitaxel+ramucirumab(RAM)は胃がん二次治療の標準治療の1つである。KEYNOTE-059試験にてpembrolizumabの投与を受けた群で、後治療として行ったpaclitaxel+RAM療法の奏効割合がpembrolizumab未投与群と比較し良好であることが、単施設の観察研究として報告されている(58-61%対18-20%)3)

対象と方法

 KEYNOTE-061試験における試験治療の増悪後三次治療に移行した症例を対象として、paclitaxel+RAM群とその他の治療との成績の差を中心に、三次治療の全生存期間への影響を探索するために解析が行われた。主な目的はpembrolizumabが次治療の効果を増強するか、とくに増強効果がpaclitaxel+RAM群で強いかを探索することだった。
 図1のように、KEYNOTE-061試験登録症例のうち、pembrolizumab群で三次治療としてpaclitaxel+RAMを受けた22例、その他の治療を受けた67例およびpaclitaxel群のうち三次治療を受けた117例を対象として3つの解析が行われた。

  1. pembrolizumab後の三次治療 vs paclitaxel後の三次治療
  2. pembrolizumab後のpaclitaxel+RAM vs paclitaxel後の三次治療
  3. pembrolizumab後のpaclitaxel+RAM vs paclitaxel+RAM以外

主要評価項目はKEYNOTE-061試験のランダム化からの全生存期間、および三次治療開始時からの全生存期間だった。単変量解析の層別化因子は地域・一次治療の無増悪期間・PD-L1発現、多変量解析の層別化因子は性別・年齢・人種・PS・地域・PD-L1発現・一次治療の無増悪期間・病変部位・胃切除の有無・潰瘍形成・HER2発現・転移臓器数・腹膜播種だった。

図1 試験デザイン

Abstract O-12
(発表者の許可を得て掲載)

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