対象副作用 | 年, 月; 号: p-p. | 研究方法 (相) | 対象患者 | 対象薬剤 |
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発熱性好中球減少症 | 2010 May; 6(3): 133–140. | 第2相試験 | 肺がん,乳がん,卵巣がん, 悪性リンパ腫 |
ペグフィルグラスチム |
背景
シェーマ
統計学的事項
主要評価項目:
- 第1サイクル投与時におけるグレード4の好中球減少の持続時間
副次評価項目:
- 第1サイクルの好中球減少の発症率
- 全サイクルにおけるFNの発症率(発熱≧38.2℃、ANC<0.5×109/L)
- 安全性プロファイル(有害事象の報告/臨床検査値の変化)
試験結果
【主要評価項目】
4件の研究において、272人の患者が化学療法と1回以上のペグフィルグラスチムの投与を受けた(当日133件、翌日139件)。乳がん、悪性リンパ腫、NSCLCを対象とした3件の研究では、解析に十分な数の患者が登録されたが、卵巣がんは19名と登録数が少なかった。
- 乳がんを対象とした試験では、1サイクル目の重度好中球減少期間の平均は、翌日投与群と比較して当日投与群で1.2日(95%信頼限界[CL]、0.7~1.6日)長かった(平均、2.6日 vs 1.4日)。
- 悪性リンパ腫を対象とした試験では、1サイクル目の重度好中球減少期間の平均値は、翌日投与群と比較して当日投与群で0.9日(95%CL、0.3~1.4日)長かった(平均、2.1vs 1.2日)。
【副次評価項目】
- ≪好中球減少症Grade4≫
乳がん患者を対象とした試験では、同日患者の93%と翌日患者の78%、悪性リンパ腫を対象とした試験ではグレード4の好中球減少症が同日患者の86%と翌日患者の64%でグレード4の好中球減少症だった。NSCLCを対象とした試験では、グレード4の好中球減少を経験した患者は各グループ2人ずつのみだった。 - ≪FNの発症率≫
乳がん患者を対象とした試験では、同日患者の33%と翌日患者の11%。悪性リンパ腫患者では、同日患者の17%と翌日患者の15%。卵巣がんを対象とした試験では、同日患者の13%と翌日患者の18%にFN発症が見られた。NSCLCではFN患者はいなかった。 - ≪安全性のプロファイル≫
各試験で患者が経験した重篤な有害事象は、骨髄抑制化学療法を受けている悪性腫瘍患者に予想されるものだった。どの試験でも重篤と考えられる骨痛を経験した患者いなかった。いずれの試験でも、両群の患者において造血機能の回復は同様であった。重度好中球減少症が続いた乳がんと悪性リンパ腫の研究では、各サイクルの 1 日目の平均 ANC 値または血小板値に有意な変化は観察されなかった。
結語
好中球減少症
好中球減少症は,血中の好中球数が減少した状態であり,用量制限毒性(Dose Limiting Toxicity:DLT)の1つである.好中球減少症の重症度は,感染症の相対リスクと関連し,有害事象共通用語規準 v5.0(Common Terminology Criteria for Adverse Events v5.0:CTCAE v5.0)では、下記のように定義されている.
2つの研究
Meropol NJ, Miller LL, Korn EL, et al. Severe myelosuppression resulting from concurrent administration of granulocyte colony-stimulating factor and cytotoxic chemotherapy. J Natl Cancer Inst. 1992;84:1201–1203.
Rowinsky EK, Grochow LB, Sartorius SE, et al. Phase I and pharmacologic study of high doses of the topoisomerase I inhibitor topotecan with granulocyte colony-stimulating factor in patients with solid tumors. J Clin Oncol. 1996;14:1224–1235.