胆道癌 KEYNOTE-158、KEYNOTE-028

Efficacy and safety of pembrolizumab for the treatment of advanced biliary cancer: Results from the KEYNOTE-158 and KEYNOTE-028 studies

Sarina A. Piha-Paul, Do-Youn Oh, Makoto Ueno, et al, Int J Cancer. 2020; 147: 2190-2198. [PubMed]

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対象疾患 治療ライン 研究の相 主要評価項目 実施地域 日本の参加
胆道癌 二次治療以降 第2相 (KEYNOTE-158)
第1相 (KEYNOTE-028)
奏効割合 国際 あり

試験名 :KEYNOTE-158、KEYNOTE-028

レジメン:ペムブロリズマブ

登録期間:2016年1月18日〜2016年7月7日(KEYNOTE-158)
     2014年4月14日〜2014年7月16日(KEYNOTE-028)

背景

胆道癌は診断時に進行期であることが多く、標準化学療法であるゲムシタビンとシスプラチンの併用療法(GC療法)増悪後の治療は限られ予後不良である。
抗PD-1抗体であるペンブロリズマブ(Pembro)は、PD-L1およびPD-L2への結合を阻害することで抗腫瘍効果を発揮する免疫チェックポイント阻害薬であり、様々な癌種で有効性が示されている。胆道癌患者の一部にはPD-L1発現を認め、PD-1経路を標的とした免疫治療の有用性が示唆されている。
そこで今回、悪性腫瘍に対してPembro単剤療法を施行した2つの試験(KEYNOTE-158、KEYNOTE-028)での進行胆道癌における有効性と安全性について報告する。

シェーマ

統計学的事項

主要評価項目:奏効割合

KEYNOTE-158試験では、胆道癌コホート100例の登録が予定され、Pembroの有効性が検討された。正確な症例数や基礎となる奏効割合は不明であり、検出力の計算は行われなかった。
KEYNOTE-028試験では、検出力80%、片側α=0.08、奏効割合が10%を上回ることを想定し、胆道癌コホートは22例の登録が予定された。

試験結果:

  • KEYNOTE-158試験は2016年1月18日から2016年7月7日の間に104例、KEYNOTE-028試験は2014年4月14日から2014年7月16日の間に24例が登録された。
1. 奏効割合(主要評価項目, RECIST1.1)
  奏効割合 95%信頼区間
KEYNOTE-158 (n=104) 5.8% (6/104) 2.1–12.1
KEYNOTE-028 (n=24) 13.0% (3/23) 2.8–33.6
2. 奏効持続期間
  中央値 95%信頼区間
KEYNOTE-158 (n=104) 未到達 6.2–26.6
KEYNOTE-028 (n=24) 未到達 21.5–53.2
3. 全生存期間
  中央値 95%信頼区間
KEYNOTE-158 (n=104) 7.4ヶ月 5.5–9.6
KEYNOTE-028 (n=24) 5.7ヶ月 3.1–9.8
4. 無増悪生存期間
  中央値 95%信頼区間
KEYNOTE-158 (n=104) 2.0ヶ月 1.9–2.1
KEYNOTE-028 (n=24) 1.8ヶ月 1.4–3.1
5. 抗腫瘍効果
  KEYNOTE-158 (n=104) KEYNOTE-028 (n=24)
最良効果    
 完全奏効(CR) 0 0
 部分奏効(PR) 6 (5.8%) 3 (13.0%)
 安定(SD) 17 (16.3%) 3 (13.0%)
 進行(PD) 65 (62.5%) 11 (47.8%)
 評価不能(NE) 2 (1.9%) 3 (13.0%)
 未評価 14 (13.5%) 11 (47.8%)
6. 有害事象(NCI CTCAE ver.4.0)
  KEYNOTE-158 (n=104) KEYNOTE-028 (n=24)
  全Grade Grade 3–5 全Grade Grade 3–5
治療関連有害事象 57 (54.8%) 14 (13.5%) 16 (66.7%) 4 (16.7%)
 疲労 15 (14.4%) 0 0 0
 皮疹 12 (11.5%) 0 2 (8.3%) 0
 皮膚掻痒 9 (8.7%) 1 (1.0%) 3 (12.5%) 0
 甲状腺機能低下 8 (7.7%) 0 2 (8.3%) 0
 無力症 7 (6.7%) 0 2 (8.3%) 0
 下痢 7 (6.7%) 0 2 (8.3%) 0
 発熱 4 (3.8%) 0 4 (16.7%) 0
 嘔気 3 (2.9%) 1 (1.0%) 3 (12.5%) 0
 皮疹 2 (1.9%) 0 2 (8.3%) 0
 便秘 1 (1.0%) 0 2 (8.3%) 0
 嘔吐 1 (1.0%) 0 2 (8.3%) 0
 末梢性浮腫 0 0 2 (8.3%) 0
免疫関連有害事象および
インフュージョンリアクション
19 (18.3%) 6 (5.8%) 4 (16.7%) 2 (8.3%)
 甲状腺機能低下 8 (7.7%) 0 2 (8.3%) 0
 重度皮膚反応 3 (2.9%) 2 (1.9%) 1 (4.2%) 1 (4.2%)
 大腸炎 1 (1.0%) 1 (1.0%) 1 (4.2%) 1 (4.2%)
 肺炎 6 (5.8%) 1 (1.0%) 0 0
 肝炎 3 (2.9%) 1 (1.0%) 0 0
 インフュージョンリアクション 0 0 1 (4.2%) 0
 甲状腺機能亢進 1 (1.0%) 0 0 0
 筋炎 1 (1.0%) 1 (1.0%) 0 0
 甲状腺炎 1 (1.0%) 0 0 0
 1型糖尿病 1 (1.0%) 1 (1.0%) 0 0
結語
PembroはPD-L1発現の有無によらず、進行胆道癌患者に持続的な抗腫瘍効果を示し、毒性も管理可能であった。
執筆:神奈川県立がんセンター 消化器内科 肝胆膵 佐野 裕亮 先生
監修:神奈川県立がんセンター 消化器内科 肝胆膵 部長 上野 誠 先生

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