大腸癌 20020408

Open-Label Phase III Trial of Panitumumab Plus Best Supportive Care Compared With Best Supportive Care Alone in Patients With Chemotherapy-Refractory Metastatic Colorectal Cancer

Van Cutsem E, Peeters M, Siena S, et al. J Clin Oncol. 2007;25(13):1658-64. [PubMed]

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対象疾患 治療ライン 研究の相 主要評価項目 実施地域 日本の参加
大腸癌 三次治療以降 第3相 無増悪生存期間 国際 なし

試験名 :20020408

レジメン:パニツムマブvs BSC

登録期間:2004年1月〜2005年6月

背景

切除不能大腸癌に対し、イリノテカン、オキサリプラチン、ベバシズマブといった薬剤を一次/二次治療で使用することで18ヶ月を超える予後が得られるようになった。しかし、多くの患者がこれらの治療に抵抗性となるため、こうした患者を対象とした新たな治療が必要であった。
パニツムマブは上皮成長因子受容体(EGFR)を標的とした完全ヒト型モノクローナル抗体であり、EGFRと結合する事で細胞増殖および腫瘍増大を阻害し、アポトーシスを誘導する。化学療法不応な切除不能大腸癌を対象とした第2相試験において、パニツムマブ単剤の有効性および認容性が示された。以上より、化学療法不応の切除不能大腸癌におけるパニツムマブとBest Supportive Care(BSC)を比較した無作為化第3相比較試験が計画された。

シェーマ

統計学的事項

主要評価項目:無増悪生存期間

本試験はBSC群を対照としてパニツムマブ群の無増悪生存期間(PFS)のハザード比が0.67を下回ることを検証するよう設計され、両側α=0.01、検出力90%と設定、362イベント、430例が必要とされた。

試験結果:

  • 2004年1月から2005年6月の間に463例が登録され、パニツムマブ群に231例が、BSC群に232例が割付られた。
  • BSC群でPD後にパニツムマブ治療を受けた(クロスオーバー)のは176例 (76%)であった。
  • 患者背景は両群で大きな隔たりはなかった。
  • 462例が2つ以上の前治療を受けており、そのうちの37%の症例が3つ以上の前治療を受けていた。
1. 無増悪生存期間(主要評価項目)
  中央値 95%信頼区間 HR 0.54      
(95%C.I. 0.44-0.66)
P<0.0001    
パニツムマブ(n=231) 8週 7.9-8.4
BSC(n=232) 7.3週 7.1-7.7
2. 奏効割合
  奏効割合 P<0.0001
パニツムマブ(n=231) 10%(PR 22例)
BSC(n=232) 0%
3. 奏効までの期間
  中央値
パニツムマブ(n=231) 7.9週
4. 奏効期間
  中央値
パニツムマブ(n=231) 17.0週
5. 病勢制御割合
  病勢制御割合
パニツムマブ(n=231) 36%(PR 22例、SD 62例)
BSC(n=232) 10%(SD 23例)
6. 全生存期間
  • 全生存期間については、パニツムマブ群(n=231)とBSC群(n=232)で有意差はみとめられなかった(HR 1.00 [95%CI 0.82-1.22]、p=0.81)。
7. 有害事象
  パニツムマブ(n=229) BSC (n=234)
  全Grade Grade 3 Grade 4 全Grade Grade 3 Grade 4
皮膚関連毒性 90%     9%    
紅斑 146 (64%) 12 (5%) 0 (0%) 2(1%) 0 (0%) 0 (0%)
ざ瘡様皮疹 142 (62%) 17 (7%) 0 (0%) 2 (1%) 0 (0%) 0 (0%)
疲労 55 (24%) 10 (4%) 0 (0%) 34 (15%) 7 (3%) 0 (0%)
悪心 50 (22%) 2 (1%) 0 (0%) 36 (15%) 1 (0%) 0 (0%)
  • パニツムマブ群の3%にGrade 3/4の低マグネシウム血症がみとめられた。
  • 1例にGrade 2の過敏症反応が発現し治療を中止した。
8. サブ解析:
  • EGFRの発現強度に関わらず無増悪生存期間はパニツムマブ群で良好であった。
  • Grade 2-4の皮膚毒性を認めた症例の方が、Grade 1の皮膚毒性を認めた症例よりも、無増悪生存期間、全生存期間ともに良好であった。(それぞれHR0.62、HR0.59)
結語
標準治療に不応となった切除不能大腸癌患者において、パニツムマブは無増悪生存期間を延長し、毒性も管理可能であった。
執筆:静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 レジデント 伏木 邦博 先生
監修:静岡県立静岡がんセンター 治験管理室 部長、消化器内科 医長 山﨑 健太郎 先生

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