大腸癌 CRYSTAL

対象疾患 治療ライン 研究の相 主要評価項目 実施地域 日本の参加
大腸癌 1次治療 第3相 無増悪生存期間 国際 なし

試験名: CRYSTAL

レジメン: FOLFIRI+セツキシマブ vs FOLFIRI

登録期間: 2004年7月〜2005年11月

シェーマ

試験結果:

1. 無増悪生存期間(主要評価項目)
  中央値 95%信頼区間
FOLFIRI+セツキシマブ 8.9ヶ月 8.0-9.5
FOLFIRI 8.0ヶ月 7.6-9.0
HR 0.85 (95%C.I. 0.72-0.99)
p=0.048
2. 全生存期間
  中央値 95%信頼区間
FOLFIRI+セツキシマブ 19.9ヶ月 18.5-21.3
FOLFIRI 18.6ヶ月 16.6-19.8
HR 0.93 (95%C.I. 0.81-1.07)
p=0.31
3. 奏効率
  奏効率 95%信頼区間
FOLFIRI+セツキシマブ 46.9% 42.9-51.0
FOLFIRI 38.7% 34.8-42.8
OR 1.40 (95%C.I. 1.12-1.77)
p=0.004
4. 無増悪生存期間(KRASステータス別による解析)
  KRAS野生型 KRAS変異型
  中央値 HR(95%C.I) 中央値 HR(95%C.I)
FOLFIRI+セツキシマブ 9.9ヶ月 0.68
(0.50-0.94)
7.6ヶ月 1.07
(0.71-1.61)
FOLFIRI 8.7ヶ月 8.1ヶ月
5. 全生存期間(KRASステータス別による解析)
  KRAS野生型 KRAS変異型
  中央値 HR(95%C.I) 中央値 HR(95%C.I)
FOLFIRI+セツキシマブ 24.9ヶ月 0.84
(0.64-1.11)
17.5ヶ月 1.03
(0.74-1.44)
FOLFIRI 21.0ヶ月 17.7ヶ月
6. Grade3以上の有害事象
  FOLFIRI+セツキシマブ FOLFIRI p値
白血球減少 7.2% 5.1% 0.15
好中球数減少 28.2% 24.6% 0.16
下痢 15.7% 10.5% 0.008
発疹 8.2% 0% <0.001
ざ瘡様皮疹 16.2% 0% <0.001
インフュージョンリアクション 2.5% 0% <0.001
結語
1次治療としてのFOLFIRI+セツキシマブはFOLFIRIと比較して、増悪のリスクを有意に低下させた。ただし、セツキシマブの効果はKRAS野生型にのみ認められた。
Reference
Van Cutsem E J, et al. N Engl J Med. 2009 Apr 2;360(14):1408-17
執筆:神戸市立医療センター中央市民病院 腫瘍内科 医師 緒方 貴次先生

臨床試験サマリ一覧へ