大腸癌 PRODIGE18

Continuation of Bevacizumab vs Cetuximab Plus Chemotherapy After First Progression in KRAS Wild-Type Metastatic Colorectal Cancer : The UNICANCER PRODIGE18 Randomized Clinical Trial

Bennouna J, Hiret S, Bertaut A, et al. JAMA Oncol. 2019 Jan 1;5(1):83-90. [PubMed]

このエントリーをはてなブックマークに追加
対象疾患 治療ライン 研究の相 主要評価項目 実施地域 日本の参加
大腸癌 二次治療 第2相 4ヶ月無増悪生存割合 海外(フランス) なし

試験名 :PRODIGE18

レジメン:化学療法+ベバシズマブ vs 化学療法+セツキシマブ

登録期間:2020年12月14日〜2015年5月5日

背景

KRAS野生型切除不能大腸癌に対するベバシズマブ(BEV)併用療法不応後の二次治療として、BEV継続使用およびセツキシマブ(CET)併用化学療法はともに標準治療である。今回両治療の有効性を評価するため、無作為化第2相試験が計画された。

シェーマ

シェーマ

統計学的事項

主要評価項目:4ヶ月無増悪生存割合

本試験は非比較第2相試験として計画された。Simonの二段階デザインを用い、それぞれの群において4ヶ月無増悪生存割合の閾値を30%、期待値を50%、片側α=0.05、検出力80%とし、10%の脱落を見込み、試験全体として必要症例数は132例と算出された。前半パートで両群ともに20例中7例以上で4ヶ月無増悪生存が得られた場合、後半パートに進む事とされた。

試験結果:

  • 133例が登録されたが、1例は病勢進行により治療されず132例が解析対象となった。
  • 患者背景は両群で偏りはなく、一次治療は62.1%がFOLFIRIを37.9%がFOLFOXをベースに使用されていた。
  • 101例が登録された後、プロトコールが改訂され、KRAS exon2以外にも、KRAS exon3,4、NRAS exon2,3,4も野生型であることが適格基準に加えられた。
  • 95例でKRASNRASBRAF のバイオマーカー解析が行われた。
  • 観察期間の中央値は37.4ヶ月であった。
1. 4ヶ月無増悪生存割合 (主要評価項目)
  中央値 95%信頼区間
化学療法+BEV群 80.3% 68.0-88.3
化学療法+CET群 66.7% 53.6-76.8
2. 無増悪生存期間
  中央値 95%信頼区間 HR (95%信頼区間)
0.71 (0.50-1.02)
p=0.06
化学療法+BEV群 7.1ヶ月 5.7-8.2
化学療法+CET群 5.6ヶ月 4.2-6.5
3. 全生存期間
  中央値 95%信頼区間 HR (95%信頼区間)
0.69 (0.46-1.04)
p=0.08
化学療法+BEV群 15.8ヶ月 9.5-22.3
化学療法+CET群 10.4ヶ月 7.0-16.2
4. 奏効割合
  奏効割合 95%信頼区間
化学療法+BEV群 24.6% 14.1-35.1
化学療法+CET群 31.8% 20.3-43.2
5. 有害事象
  化学療法+BEV群 (n=65) 化学療法+CET群 (n=67)
  Any Grade Grade 3/4 Any Grade Grade 3/4
貧血 66.1% 4.6% 68.6% 13.4%
好中球数減少 61.5% 18.5% 52.2% 14.9%
血小板数減少 61.5% 0 44.8% 3.0%
発熱性好中球減少症 4.6% 4.6% 0 0
皮膚障害 38.5% 0 85.1% 19.4%
悪心 58.5% 4.6% 37.3% 1.5%
嘔吐 23.1% 1.5% 20.9% 3.0%
食欲不振 32.3% 4.6% 32.8% 1.5%
疲労 83.1% 10.8% 74.6% 10.4%
口内炎 29.2% 1.5% 35.8% 7.5%
爪周囲炎 - - 19.4% 4.5%
下痢 64.6% 7.7% 37.3% 8.9%
末梢神経障害 40.0% 3.1% 40.3% 4.5%
鼻出血 18.5% 0 7.5% 0
血栓イベント 1.5% 1.5% 1.5% 1.5%
  • Grade3,4の有害事象は化学療法+BEV群で80.0%、化学療法+CET群で85.7%に認めた。
  • 有害事象により化学療法+BEV群の4.6%、化学療法+CET群の9.0%で治療が中止となった。
  • 有害事象により6.2%の症例でBEVの投与が中止され、25.4%の症例でCETの投与が中止となった。
6. サブ解析
無増悪生存期間 中央値 95%信頼区間
KRASNRAS 野生型 化学療法+BEV群 7.8ヶ月 5.8-8.5
KRASNRAS 野生型 化学療法+CET群 5.6ヶ月 3.5-7.1
KRASNRASBRAF 野生型 化学療法+BEV群 8.2ヶ月 6.6-8.6
KRASNRASBRAF 野生型 化学療法+CET群 5.7ヶ月 4.1-7.1
全生存期間 中央値 95%信頼区間
KRASNRAS 野生型 化学療法+BEV群 21.0ヶ月 10.0-28.2
KRASNRAS 野生型 化学療法+CET群 10.7ヶ月 6.8-22.4
KRASNRASBRAF 野生型 化学療法+BEV群 21.1ヶ月 12.3-35.1
KRASNRASBRAF 野生型 化学療法+CET群 12.6ヶ月 6.8-22.5
結語
BEV併用化学療法に不応となったKRAS 野生型の進行大腸癌に対する二次治療において、BEV併用化学療法はCET併用化学療法と比較して予後良好な傾向であったが、統計学的有意差は認めなかった。
執筆:静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 副医長 伏木 邦博 先生
監修:愛知県がんセンター病院 薬物療法部 医長 坂東 英明 先生

臨床試験サマリ一覧へ