対象疾患 | 治療ライン | 研究の相 | 主要評価項目 | 実施地域 |
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食道癌 | 周術期化学療法 | 第3相 | 無増悪生存期間 | 日本 |
試験名: JCOG9907
レジメン: 術前化学療法 vs 術後補助化学療法
登録期間: 2000年5月〜2006年5月
シェーマ
試験結果:
2回目の中間解析で主要評価項目である無増悪生存期間には有意差を認めなかったが、全生存期間が術前補助化学療法群で有意に延長した。
1. 5年無増悪生存率
中央値 | 95%信頼区間 | |
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術前補助化学療法 | 44% | 36.4-51.8/td> |
術後補助化学療法 | 39% | 31.3-46.3 |
HR 0.84 (95%C.I. 0.63-1.11) p=0.22 |
2. 5年生存率
中央値 | 95%信頼区間 | |
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術前補助化学療法 | 55% | 46.7-62.5 |
術後補助化学療法 | 43% | 34.6-50.5 |
HR 0.73 (95%C.I. 0.54-0.99) p=0.04 |
3. 5年生存率(cN別による解析)
cN0 | cN1 | |
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中央値 | 中央値 | |
術前補助化学療法 | 54.5% | 55.3% |
術後補助化学療法 | 49.4% | 39.5% |
4. Grade3以上の有害事象
術前補助化学療法 | 術後補助化学療法 | |
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白血球減少 | 5% | 3% |
血小板減少 | 2% | 1% |
下痢 | 2% | 1% |
粘膜炎 | 8% | 3% |
5. R0切除率
中央値 | p値 | |
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術前補助化学療法 | 96% | 0.04 |
術後補助化学療法 | 91% |
結語
cT4を除くStageII/IIIの胸部食道扁平上皮癌に対して術前補助化学療法が全生存率を有意に改善した。
Reference
Ando N, et al. Ann Surg Oncol. 2012 Jan;19(1):68-74
執筆:神戸市立医療センター中央市民病院 腫瘍内科 医師 緒方 貴次先生