肝細胞癌 CELESTIAL

Cabozantinib in Patients with Advanced and Progressing Hepatocellular Carcinoma.

Abou-Alfa GK, Meyer T, Cheng AL, et al. N Engl J Med. 2018 ;379(1):54-63 [PubMed]

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対象疾患 治療ライン 研究の相 主要評価項目 実施地域 日本の参加
肝細胞癌 二次治療以降 第3相 全生存期間 国際 なし

試験名 :CELESTIAL

レジメン:カボザンチニブ vs プラセボ

登録期間:2013年9〜2017年9月

背景

カボザンチニブはVEGFR 1, 2, 3、MET、AXLなどを阻害するマルチキナーゼ阻害薬であり、肝細胞癌のマウスモデルで腫瘍増殖を抑制した。進行肝細胞癌を対象としたプラセボ対照ランダム化第2相試験で、以前にソラフェニブによる治療を受けたかどうかに関わらず、全生存期間中央値 11.5ヶ月、無増悪生存期間 5.2ヶ月と有望な治療成績を示しており、今回の国際共同プラセボ対照二重盲検比較第3相試験(CELESTIAL試験)の実施に至った。

シェーマ

統計学的事項

主要評価項目:全生存期間

本試験はプラセボ群を対照としてカボザンチニブ群の全生存期間のハザード比が0.76となることを検証する優越性試験として設計され、検出力90%、両側α=0.05として、760例の登録・621イベントが必要と設定された。

試験結果:

  • 2013年9月から2017年9月に19ヵ国95施設から773例が登録された。
  • 2017年6月データカットオフの第2回中間解析で、試験の有効中止が決定された。
  • 患者背景に大きな隔たりは認めなかった。
1. 全生存期間(主要評価項目)
  中央値 95%信頼区間

HR 0.76 (95%C.I. 0.63-0.92)
p=0.005        
カボザンチニブ(n=470) 10.2ヶ月 9.1-12.0
プラセボ(n=237) 8.0ヶ月 6.8-9.4
2. 無増悪生存期間
  中央値 95%信頼区間

HR 0.44 (95%C.I. 0.36-0.52)
p<0.001        
カボザンチニブ(n=470) 5.2ヶ月 4.0-5.5
プラセボ(n=237) 1.9ヶ月 1.9-1.9
3. 奏効割合(RECIST ver.1.1)
  奏効割合    p=0.009   
カボザンチニブ(n=470) 4%(PR 18)
プラセボ(n=237) 0.4%(PR 1)
4. 病勢制御割合
  病勢制御割合
カボザンチニブ(n=470) 64%(PR+SD 300)
プラセボ(n=237) 33%(PR+SD 79)
5. 有害事象(NCI CTCAE ver.4.0)
  カボザンチニブ (n=467) プラセボ(n=237)
  全Grade Grade 3以上 全Grade Grade 3以上
下痢 251 (54%) 46 (10%) 44 (19%) 4 (2%)
食欲不振 225 (48%) 27 (6%)% 43 (18%) 1 (<1%)
手足症候群 217 (46%) 79 (17%) 12 (5%) 0
疲労 212 (45%) 49 (10%) 70 (30%) 10 (4%)
嘔気 147 (31%) 10 (2%) 42 (18%) 4 (2%)
高血圧 137 (29%) 74 (16%) 14 (6%) 4 (2%)
嘔吐 121 (26%) 2 (<1%) 28 (12%) 6 (3%)
AST上昇 105 (22%) 55 (12%) 27 (11%) 16 (7%)
無力症 102 (22%) 32 (7%) 18 (8%) 4 (2%)
6. 前治療がソラフェニブのみであった患者の治療成績
全生存期間
  中央値 HR 0.70 (95%C.I. 0.55-0.88)
カボザンチニブ 11.3ヶ月
プラセボ 7.2ヶ月
無増悪生存期間
  中央値 HR 0.40 (95%C.I. 0.32-0.50)
カボザンチニブ 5.5ヶ月
プラセボ 1.9ヶ月
結語
本試験の結果、治療歴のある進行肝細胞患者において、カボザンチニブによる治療はプラセボに対して全生存期間と無増悪生存期間を延長させた。カボザンチニブ群の有害事象発現割合はプラセボ群の約2倍であった。
執筆:杏林大学 腫瘍内科学 助教 岡野 尚弘 先生
監修:神奈川県立がんセンター 消化器内科・外科(肝胆膵) 部長 上野 誠 先生

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