肝細胞癌 REFLECT

Lenvatinib versus sorafenib in first-line treatment of patients with unresectable hepatocellular carcinoma: a randomised phase 3 non-inferiority trial.

Kudo M, Finn RS, Qin S. et al. Lancet 2018; 391: 1163-73. [PubMed]

対象疾患 治療ライン 研究の相 主要評価項目 実施地域 日本の参加
肝細胞癌 一次治療 第3相 全生存期間 国際 あり

試験名: REFLECT

レジメン: レンバチニブ vs ソラフェニブ

登録期間: 2013年3月〜2015年7月

背景

進行肝細胞癌に対してソラフェニブがプラセボと比較して全生存期間の延長を示し、標準治療となった。その後、進行肝細胞癌に対して、ソラフェニブを対照とした優越性試験および非劣性試験が行われてきたが、いずれも主要評価項目である全生存期間のベネフィットを、10年ほど示すことが出来なかった。
レンバチニブはVEGFR1-3、FGFR1-4、PDGFRα、RET、KITなどを阻害する経口のマルチキナーゼ阻害剤であり、第2相試験において、進行肝細胞癌に対して臨床的な活性を示した。また、開始用量は体重60㎏以上の患者が12mg/Day、60㎏未満の患者が8mg/Dayが推奨用量であるとされた。
この結果より、進行肝細胞癌の一次治療として、ソラフェニブとレンバチニブのランダム化比較第3相試験が計画された。

シェーマ

統計学的事項

主要評価項目:全生存期間

本試験は、ソラフェニブ群を対照としてレンバチニブ群の全生存期間のハザード比が0.80となることを検証することを目的とし、非劣性マージンの上限を1.08とした非劣性試験であると同時に、優越性も検証するよう設計され、非劣性の検出力97%、優越性の検出力82%、全体の両側α=0.05として、954例の登録・700イベントが必要と設定された。

試験結果:

  • 2013年3月から2015年7月の間に、20ヶ国から954例が登録された。
  • データカットオフは2016年11月、観察期間中央値は27.7ヶ月であった。
  • 患者背景は、両群に大きな隔たりはなかったが、AFP高値群はレンバチニブ群にやや多い傾向にあった。
1. 全生存期間(主要評価項目)
中央値 95%信頼区間 HR 0.92 (95%C.I. 0.79-1.06)
レンバチニブ 13.6ヶ月 12.1-14.9
ソラフェニブ 12.3ヶ月 10.4-13.9

レンバチニブは、ソラフェニブに対して全生存期間の非劣性を示した。
本試験は、過去10年間行われてきたソラフェニブに対する全生存期間を主要評価項目とした試験で、初めて非劣性を証明した国際第3相試験となった。

2. 無増悪生存期間(mRECIST, 主治医による判定)
中央値 95%信頼区間 HR 0.66 (95%C.I. 0.57-0.77)
p<0.0001        
レンバチニブ 7.4ヶ月 6.9-8.8
ソラフェニブ 3.7ヶ月 3.6-4.6
3. 奏効割合(RECIST ver1.1, 中央判定)
奏効割合 OR 3.34 (95%C.I. 2.17-5.14)
p<0.0001        
レンバチニブ 18.8%
ソラフェニブ 6.5%
4. 奏効割合(mRECIST, 中央判定)
奏効割合 OR 5.01 (95%C.I. 3.59-7.01)
p<0.0001        
レンバチニブ 40.6%
ソラフェニブ 12.4%
5. 有害事象(NCI CTCAE ver.4.0)
レンバチニブ(n=476) ソラフェニブ(n=475)
全Grade Grade 3以上 全Grade Grade 3以上
手掌・足底発赤知覚不全症候群 128 (27%) 14 (3%) 249 (52%) 54 (11%)
下痢 184 (39%) 20 (4%) 220 (46%) 20 (4%)
高血圧 201 (42%) 111 (23%) 144 (30%) 68 (14%)
食欲不振 162 (34%) 22 (5%) 127 (27%) 6 (1%)
体重減少 147 (31%) 36 (8%) 106 (22%) 14 (3%)
疲労 141 (30%) 18 (4%) 119 (25%) 17 (4%)
結語
本試験の結果、レンバチニブは進行肝細胞癌に対する一次化学療法として、ソラフェニブに対する全生存期間の非劣性を示した。
レンバチニブの安全性および忍容性は、過去の報告と同様であった。
執筆:神奈川県立がんセンター 消化器内科 肝胆膵 医長 小林 智 先生
監修:神奈川県立がんセンター 消化器内科 肝胆膵 医長 上野 誠 先生

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