膵癌 CONKO-01

Adjuvant chemotherapy with gemcitabine vs observation in patients undergoing curative-intent resection of pancreatic cancer: a randomized controlled trial.

Oettle H, Post S, Neuhaus P, et al. JAMA. 2007 Jan 17;297(3):267-77. [PubMed]

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対象疾患 治療ライン 研究の相 主要評価項目 実施地域 日本の参加
膵癌 術後補助 第3相 無病生存期間 ドイツ・オーストリア なし

試験名 :CONKO-01

レジメン:ゲムシタビン術後補助療法 vs 手術単独

登録期間:1998年7月〜2004年12月

背景

膵癌は手術が唯一の治癒が期待できる治療法であるが、術後再発が稀ではないため、膵切除後患者の5年生存割合は23.4%と低い。このため、手術単独では膵癌の予後改善には不十分であることは明らかであり、これまで5-FUなどによる術後補助療法が試されてきたが、有効性を証明できなかった。ゲムシタビンは様々な癌腫に対して活性を示し、進行膵癌においても5-FUと比べて生存期間の延長と疼痛緩和効果などの臨床的ベネフィットが示された。このため、ゲムシタビンは膵癌術後補助療法としての効果も期待され、本試験が行われた。

シェーマ

統計学的事項

主要評価項目:無病生存期間

本試験は手術単独群の無病生存期間中央値を12ヶ月と仮定し、ゲムシタビンによる補助化学療法により6ヶ月延長することを検証する優越性試験として設計され、検出力90%、両側α=0.05、不適格症例が20%として、登録期間3年、観察期間2年において片群184例の登録が必要と設定された。

試験結果:

  • 1998年7月から2004年12月に、ドイツ、オーストリアの88施設から合計368例が登録された。
  • 両群ともに、全例が安全性解析の対象となり、同意撤回、重複がんなどで7例ずつが除外され、GEM群179例、手術単独群175例がITT解析の対象となった。
  • 観察期間中央値53ヵ月、無病生存期間のイベントが294例の時点で解析が行われた。
  • 両群ともに、患者背景に、大きな隔たりは認めなかった。
1. 無病生存期間(主要評価項目)
  中央値 95%信頼区間 p<0.001
GEM群 13.4ヶ月 11.4-15.3
手術単独群 6.9ヶ月 6.1-7.8
2. 全生存期間
  中央値 95%信頼区間 p=0.06
GEM群 22.1ヶ月 18.4-25.8
手術単独群 20.2ヶ月 17.0-23.4
3. 臨床的ベネフィット率
  KPS中央値
  登録時 6ヶ月後
GEM群 80% 90%
手術単独群 80% 90%
  QOL平均値
  1サイクル開始時 6サイクル開始時
GEM群 1.4 1.8
手術単独群 1.4 1.8

※Total Spitzer score

4. 有害事象 (World Health Organization classificationによる)
  GEM群 手術単独群
  全Grade Grade 3以上 全Grade Grade 3以上
貧血 27.9% 0.6% 3.3% 0.1%
白血球減少 30.8% 2.4% 2.1% 0.1%
血小板減少 6.4% 0.8% 1.0% 0
悪心/嘔吐 21.2% 1.3% 2.8% 0.2%
下痢 9.0% 0.9% 5.1% 0.4%
浮腫 8.9% 0.5% 0.4% 0.1%
感染 3.9% 0.4% 1.7% 0.3%
ALT上昇/AST上昇 20.5% 0.6% 12.5% 0.6%
Bil上昇 1.2% 0.1% 2.1% 0.2%
ALP上昇 11.7% 0.1% 9.8% 0.5%
5. サブ解析:長期フォローアップ成績(観察期間中央値136ヶ月)

無病生存期間

  中央値 95%信頼区間 HR 0.55 (95%C.I. 0.44-0.69)
p<0.001        
GEM群 13.4ヶ月 11.6-15.3
手術単独群 6.7ヶ月 6.0-7.5

全生存期間

  中央値 95%信頼区間 HR 0.76 (95%C.I. 0.61-0.95)
p=0.01         
GEM群 22.8ヶ月 11.6-15.3
手術単独群 20.2ヶ月 6.0-7.5
結語
結語:治癒切除後膵癌に対してゲムシタビンによる6ヶ月の補助化学療法は、手術単独に比べて無病生存期間を延長した。
執筆:神奈川県立がんセンター 消化器内科 肝胆膵 医長 小林 智先生
監修:神奈川県立がんセンター 消化器内科 肝胆膵 医長 上野 誠先生

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