胃癌 TAGS

Trifluridine/tipiracil versus placebo in patients with heavily pretreated metastatic gastric cancer (TAGS): a randomised, double-blind, placebo-controlled, phase 3 trial.

Shitara K, Doi T, Dvorkin M, et al. Lancet Oncol. 2018 Nov;19(11):1437-1448. [PubMed]

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対象疾患 治療ライン 研究の相 主要評価項目 実施地域 日本の参加
胃癌/食道胃接合部癌 三次治療以降 第3相 全生存期間 国際 あり

試験名 :TAGS [ClinicalTrials.gov Identifier:NCT02500043]

レジメン:FTD/TPI vs プラセボ

登録期間:2016年2月〜2018年1月

背景

FTD/TPIは標準治療に不応となった転移性結腸直腸癌において、二重盲検比較第3相試験(RECOURSE試験)の結果を基に本邦を始め、米国、欧州で承認となっている。
進行胃癌に関しては、本邦で既治療例を対象に第II相試験(EPOC1201試験)が実施され、生存期間中央値 8.7ヶ月、担当医評価の病勢制御率 66%と良好な有効性と忍容可能な安全性を示しており、今回の国際共同プラセボ対照二重盲検比較第3相試験(TAGS試験)の実施に至った。

シェーマ

統計学的事項

主要評価項目:全生存期間

本試験はプラセボ群を対照としてFTD/TPI群の全生存期間のハザード比が0.70となることを検証する優越性試験として設計され、検出力90%、片側α=0.025として、500人の登録・384イベントが必要と設定された。

試験結果:

  • 2016年2月24日〜2018年1月5日の間に507例が登録され、FTD/TPI群に337例、プラセボ群に170例が割り付けられた。
  • FTD/TPI群の211例(63%)、プラセボ群の106例(62%)は四次治療以降の登録であった。
1. 全生存期間(主要評価項目)
  中央値 95%信頼区間 12ヶ月生存割合 HR 0.69 (95%C.I. 0.56-0.85)
     片側 p=0.00029
     両側 p=0.00058
FTD/TPI 5.7ヶ月 4.8-6.2 31 (21%)
プラセボ 3.6ヶ月 3.1-4.1 10 (13%)
2. 無増悪生存期間
  中央値 95%信頼区間 6ヶ月無増悪生存割合 HR 0.57 (95%C.I. 0.47-0.70)
      両側 p<0.0001
FTD/TPI 2.0ヶ月 1.9-2.3 37 (15%)
プラセボ 1.8ヶ月 1.7-1.9 8 (6%)
3. 奏効割合 (FTD/TPI n=290 / プラセボ n=145)
  奏効割合 95%信頼区間 p=0.28
FTD/TPI 13 (4%) 2-8
プラセボ 3 (2%) <1-6
4. 病勢制御割合 (FTD/TPI n=290 / プラセボ n=145)
  病勢制御割合 95%信頼区間 p<0.0001
FTD/TPI 128 (44%) 38-50
プラセボ 21 (14%) 9-21
5. ECOG PSが2以上に悪化するまでの期間
  イベント 中央値 95%信頼区間 HR 0.69 (95%C.I. 0.56-0.85)
     両側 p=0.00053
FTD/TPI 264 (78%) 4.3ヶ月 3.7-4.7
プラセボ 145 (85%) 2.3ヶ月 2.0-2.8
6. 有害事象
  FTD/TPI (n=335) プラセボ (n=168)
  全Grade Grade 3以上 全Grade Grade 3以上
好中球数減少 176 (53%) 114 (34%) 7 (4%) 0
白血球減少 78 (23%) 31 (9%) 3 (2%) 0
血小板数減少 60 (18%) 11 (3%) 8 (5%) 0
貧血 150 (45%) 64 (19%) 32 (19%) 13 (8%)
発熱性好中球減少 6 (2%) 6 (2%) 0 0
悪心 124 (37%) 10 (3%) 53 (32%) 5 (3%)
食欲不振 115 (34%) 29 (9%) 52 (31%) 11 (7%)
7. 投与調整(延期/減量)の原因となった有害事象
  FTD/TPI (n=335) プラセボ (n=168)
  全Grade Grade 3以上 全Grade Grade 3以上
全イベント 195 (58%) 148 (44%) 37 (22%) 29 (17%)
好中球数減少 123 (37%) 85 (25%) 1 (1%) 0
貧血 29 (9%) 15 (4%) 3 (2%) 3 (2%)
白血球減少 19 (6%) 11 (3%) 0 0
結語
本試験の結果、FTD/TPIはプラセボと比較して、3次治療以降の胃癌/食道胃接合部癌症例の全生存期間を延長し、忍容性も良好であることが示された。
執筆:北海道大学病院 消化器内科 特任助教 川本 泰之 先生
監修:北海道大学病院 消化器内科 助教 結城 敏志 先生

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