第3回座談会:特別対談
-肝細胞癌における免疫チェックポイント阻害薬(2) Atezolizumab+Bevacizumab-

IMbrave150試験の結果に注目が集まったAtezolizumab+Bevacizumab併用療法。
シリーズ2回目の今回は、IMbrave150試験結果の解説と、それを踏まえた議論をご紹介します。

上野先生:
シリーズ第1回目の前回(パート1)では、肝細胞癌における免疫チェックポイント阻害薬(ICI)の開発状況と現状のエビデンスをテーマにお話ししました。パート2の今回は、開発中のICIの中でも特に注目を集めているAtezolizumab+Bevacizumab併用療法について詳しく取り上げたいと思います。
肝細胞癌に対するAtezolizumab+Bevacizumab併用療法を検討したIMbrave150試験の中間解析結果が昨年(2019年)発表され、大きな注目を浴びました。Authorのお一人である池田先生にその内容を今日は解説していただきます。

ご存じの方もいらっしゃるとは思いますが、先にネタをバラしてしまいますと、Atezolizumab+Bevacizumabが非常に良好な成績をおさめ、中間解析で試験がストップしたという結果でした。今後の肝細胞癌治療を確実に変えるパワーを持ったレジメンであることは間違いないと思います。池田先生から直接お話を伺えるこの機会に、私もしっかりと勉強させていただきます。

池田先生、どうぞよろしくお願いいたします。
池田先生:
こちらこそ、よろしくお願いいたします。2019年11月のESMO-Asiaで報告したIMbrave150試験の中間解析結果を、簡単にご紹介いたします。

【Summary】IMbrave150試験:肝細胞癌に対するAtezolizumab+Bevacizumab併用療法

IMbrave150試験は、進行肝細胞癌の初回治療例でChild Pugh Aの患者さんを対象とした第3相試験です(図1)。

図1