第3回座談会:特別対談
-肝細胞癌における免疫チェックポイント阻害薬(3) 肝細胞癌における進行中の臨床試験と今後の展望-

免疫チェックポイント阻害薬によって肝細胞癌治療がどう変わっていくのかを2回にわたってご紹介してきました。
シリーズ3回目の今回は、肝細胞癌を対象として現在進行中の臨床試験と、今後の展望についてお話しいただきます。

はじめに

上野先生:
肝細胞癌における免疫チェックポイント阻害薬をテーマにお送りする対談も、今回で最後のパート3となりました。
パート1では開発状況と現状のエビデンスについて、パート2ではIMbrave150試験の結果に注目が集まったAtezolizumab+Bevacizumab併用療法についてお話しして参りました。
ラストの今回は、国内で行われ結果が注目されている臨床試験の紹介と、肝細胞癌治療の今後の展望についてお話しします。

それでは池田先生、どうぞよろしくお願いいたします。
池田先生:
はい、今どのような臨床試験が進行中なのかと、今後の展望についてお話しさせていただきます。

【Summary】肝細胞癌における進行中の臨床試験と今後の展望

Durvalumab+Tremelimumab

まず1つめは、Durvalumab+Tremelimumabです。抗PD-L1抗体と抗CTLA-4抗体の併用療法ですね。初回薬物療法例を対象としたDurvalumab+Tremelimumab併用療法とDurvalumab、Sorafenibを比較する第3相試験であるHIMALAYA試験が現在進行中です(図1)。

図1