2021 Gastrointestinal Cancers Symposium

Abstract 161 食道・胃癌


Genomic pathway of gut microbiome to predict efficacy of nivolumab in advanced gastric cancer: DELIVER trial (JACCRO GC-08)

First Author : Yu Sunakawa, et al.

進行胃癌におけるニボルマブの有効性を予測するための腸内マイクロバイオームのゲノム経路の検討:DELIVER trial (JACCRO GC-08)

背景

 Attraction-2試験において、ニボルマブは前治療を有する切除不能胃癌・胃食道接合部癌におけるOSの延長を示した。しかし、ニボルマブ単剤療法による病勢制御割合は約40%であり、多くの患者では腫瘍の縮小が得られず、治療効果を予測するバイオマーカーの発見が望まれている。今日、様々ながん腫において腸内細菌叢の組成が抗PD-1抗体を用いた免疫療法の治療効果に影響を与える事が示されているが、胃癌におけるデータはまだ少ないのが現状である。

対象と方法

 DELIVER試験は、切除不能進行胃癌に対してニボルマブ単剤療法による治療を行う日本人500例を対象とした多施設共同前向き観察研究である。ニボルマブ初回投与前および治療終了時に糞便および血液検体を採取し、糞便検体を用いてショットガン解析をセントラルラボで行った。
 主要評価項目は腸内細菌叢におけるゲノム経路とニボルマブの治療効果(初回評価にてPDかそれ以外か)との関連性とし、副次的評価項目は腸内細菌叢の他のマーカーと臨床結果との関連性とした。

 本研究は、2つのStepからなった。まずStep1として登録初期の200例の糞便検体を用いてWilcoxon rank sum testを行い(training cohort)、バイオマーカーとなりうる候補のゲノム経路をp-value順に上位30種まで絞り込んだ。その後、Step2として登録後期の300例を用いてその候補の検証をBonferroniの調整(多重比較法)によって行った(validation cohort)(図1)。

図1. Statistical analysis

Abstract 161
(発表者の許可を得て掲載)

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