Abstract LBA7 食道・胃癌


Nivolumab plus chemotherapy or ipilimumab vs chemotherapy as first-line treatment for advanced gastric cancer/gastroesophageal junction cancer/esophageal adenocarcinoma (GC/GEJC/EAC): CheckMate 649 Study.

First Author : Yelena Janjigian, et al.

進行胃・食道胃接合部・食道腺癌患者の一次治療を対象として、化学療法に対するニボルマブ+化学療法もしくはニボルマブ+イピリムマブの有効性を検証する第3相試験(CheckMate649試験)

背景

 HER2陰性の進行・転移性胃癌(GC)/食道胃接合部癌(GEJC)における標準的一次治療は化学療法だが、過去10年においてその予後は極めて限定的だった。
 ESMO Virtual Congress 2020において、CheckMate 649試験の全生存期間(OS)の中間解析および無増悪生存期間(PFS)の最終解析結果が報告され、化学療法未施行なHER2陰性の進行再発GC/GEJC/食道腺癌(EAC)患者を対象として、化学療法単独群に対するニボルマブ+化学療法群のOS およびPFSにおける統計学的有意かつ臨床的意義のある延長効果および認容性が報告された1), 2)。この結果を受け、米国食品医薬品局(FDA)は同対象における化学療法とニボルマブの併用療法を承認した。
 一方、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法に関しては、治療歴のある進行GC/GEJC/EACを対象としたCheckMate-032試験において検討されており、ニボルマブ+イピリムマブ併用療法の臨床的に意義のある、持続的な抗腫瘍効果が示された3)
 今回、CheckMate 649試験において、化学療法群およびニボルマブ+化学療法群の長期フォローアップデータおよび、ニボルマブ+イピリムマブ群に関する初回報告がなされた。

対象と方法

 CheckMate 649試験の試験デザインを図1に示す。
 本試験は化学療法未施行でECOG PS 0-1のHER2陰性切除不能進行・転移性GC/GEJC/EACが対象とされた。本試験は開始当初、ニボルマブ+イピリムマブ群と化学療法単独群(FOLFOXもしくはXELOX)の2群比較で開始されたが、その後、ニボルマブ+化学療法(FOLFOXもしくはXELOX)群が追加され、2018年6月にニボルマブ+イピリムマブ群の登録が停止されたが、登録停止までにニボルマブ+イピリムマブ群に割り付けられた患者は治療の継続が許容された。
 今回の発表ではニボルマブ+化学療法群vs 化学療法単独群に関する長期フォローアップデータおよび、ニボルマブ+イピリムマブ群(n=409) vs 化学療法単独群(n=404)が報告された。ニボルマブ+イピリムマブ群と比較する化学療法群は、ニボルマブ+イピリムマブ群の登録中に化学療法単独群に割り付けられた患者を対象とした。
 本試験の主要評価項目はPD-L1 CPS ≥5を対象として、化学療法単独群 vs ニボルマブ+化学療法群における盲検独立中央判定による全生存期間・無増悪生存期間であった。階層的検定される副次的評価項目は化学療法単独群 vs ニボルマブ+化学療法群においては全生存期間(PD-L1 CPS ≥1と全無作為化症例)、化学療法単独群 vs ニボルマブ+イピリムマブ群においては全生存期間(PD-L1 CPS ≥5と全無作為化症例)であった。
 層別化因子は腫瘍細胞のPD-L1発現(≥1% vs <1%)、地域(アジア vs 米国/カナダ vs それ以外)、ECOG PS(0 vs 1)、化学療法レジメン(XELOX vs FOLFOX)とされた。
 本解析のデータカットオフは2021年5月27日であり、最低観察期間はニボルマブ+化学療法群で24.0ヶ月、ニボルマブ+イピリムマブ群で35.7ヶ月だった。

図1 試験デザイン

Abstract LBA7
(発表者の許可を得て掲載)

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