Abstract O-10 大腸癌


ANCHOR CRC: a single-arm, phase 2 study of encorafenib, binimetinib plus cetuximab in previously untreated BRAF V600E–mutant metastatic colorectal cancer

First Author : Van Cutsem E, et al.

BRAF V600E変異を有する進行・再発結腸直腸癌未治療例に対するエンコラフェニブ、ビニメチニブ、セツキシマブの3剤併用療法の単群第2相試験(ANCHOR-CRC)

背景

 BRAF V600E変異は切除不能結腸直腸癌の10-15%を占め、予後不良であるとともに、従来の化学療法の効果は乏しいことが報告されている。現在、各種ガイドラインにおいて、BRAF V600E変異を伴う結腸直腸癌に対する一次治療として、2剤もしくは3剤併用の化学療法±ベバシズマブが推奨され、FOLFOXIRI+ベバシズマブ療法の治療成績は奏効割合51%、無増悪生存期間(PFS)中央値8.3ヶ月、全生存期間(OS)中央値16.8ヶ月と報告されている。また、BRAF 阻害薬単剤療法ではEGFRが活性化されるため効果は乏しく、MAPK経路の複数の阻害が必要とされている。
 最近、BEACON試験においてBRAF V600E変異を有する結腸直腸癌に対するエンコラフェニブ+ビニメチニブ+セツキシマブの有効性、安全性が二次治療以降のラインにおいて示された。今回、同レジメンの一次治療における安全性、有効性を検討した第2相試験(ANCHOR試験)の結果が報告された。

対象と方法

 BRAF V600E変異を有する進行・再発結腸直腸癌で、全身化学療法を受けていないPS0-1の症例を対象とし、目標症例数は90例に設定された。主要評価項目は主治医評価による奏効割合で、95%信頼区間の閾値は30%と設定された(90例中37例以上の奏効を認めれば帰無仮説を棄却)。副次的評価項目はPFS、OS、安全性、PKだった。

結果

 登録初期(Stage1)、および登録後期(Stage2)合わせて95例が解析対象となった。解析時点で75例(79%)がプロトコール治療を中止していた。治療中止理由は病勢進行 48例(64%)、有害事象 16例(21%)、医師判断 6例(8%)、その他 5例(7%)だった。

 患者背景を図1に示す。女性が51例(53.7%)、年齢中央値 65歳(範囲:30-84歳)で、PS 1の症例が52例(54.7%)含まれた。右側結腸の症例が57例(60.0%)、転移臓器個数 2個以上が72例(75.8%)で、転移臓器としては肝 52例(54.7%)、リンパ節 49例(51.6%)、腹膜 46例(48.4%)、肺 35例(46.8%)の順に多かった。術後補助化学療法などで化学療法歴のある症例は18例(18.9%)だった。

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