大腸癌 AXEPT

Modified XELIRI (capecitabine plus irinotecan) versus FOLFIRI (leucovorin, fluorouracil, and irinotecan), both either with or without bevacizumab, as second-line therapy for metastatic colorectal cancer (AXEPT): a multicentre, open-label, randomised, non-inferiority, phase 3 trial

Xu RH, Muro K, Morita S, et al. Lancet Oncol. 2018;19:660-671. [PubMed]

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対象疾患 治療ライン 研究の相 主要評価項目 実施地域 日本の参加
大腸癌 二次治療 第3相 全生存期間 日本・中国・韓国 あり

試験名 :AXEPT

レジメン:FOLFIRI±Bevacizumab vs mXELIRI±Bevacizumab

登録期間:2013年12月〜2015年8月

背景

切除不能大腸癌の一次治療においてカペシタビン+オキサリプラチン(XELOX)はFOLFOXと同等の有効性と安全性が示されている。しかしBICC-C試験では、カペシタビン(1000mg/㎡ day1-14)+イリノテカン(250mg/㎡ day1) 3週ごと (XELIRI)は、消化器毒性による治療中止のため無増悪生存期間においてFOLFIRIに劣っていた。そこで両薬剤を減量したmXELIRIはBevacizumab(Bev)との併用で、AIO 0604試験、BIX試験において有効性・安全性が確認された。そのためこれらの試験をもとにmXELIRI±BevのFOLFIRI±Bevに対する有用性を検証するための第3相試験(AXEPT試験)が実施された。

シェーマ

統計学的事項

主要評価項目:全生存期間

本試験はFOLFIRI±Bev群を対照としてmXELIRI±Bev群のOSハザード比の上限が1.30(12.6ヶ月 vs 9.7ヶ月)以下となることを検証する非劣性試験として設計され、検出力80%、片側α=0.025として、464イベント、600例が必要とされた。また上記を満たした場合には、ハザード比の上限を1.25以下とした非劣性、および優越性も検証する設定であった。

試験結果:

  • 2013年12月から2015年8月までに98施設(日本73、韓国8、中国17)から650例が登録され、mXELIRI±Bev群に326例が、FOLFIRI±Bev群に324例が割付られた(ITT)。そのうちのmXELIRI±Bev群 16例、FOLFIRI±Bev群 14例がプロトコール治療が実施されず、両群ともにper-protocol解析および安全性解析対象集団は310例であった。
  • 患者背景に大きな偏りは認められなかった。
  • 2017年7月28日のカットオフまでの観察期間中央値は15.8ヶ月であった。
  • ベバシズマブを併用したのはmXELIRI±Bev群で269例(83%)、FOLFIRI±Bev群で272例(84%)であった。
  • 後治療を受けたのはmXELIRI±Bev群で195例(60%)、FOLFIRI±Bev群で189例(58%)であった。
1. 全生存期間(主要評価項目)
  中央値 95%信頼区間 HR 0.85(95%C.I. 0.71-1.02)
p< 0.0001(非劣性)  
p=0.088 (優越性)  
mXELIRI±Bev(n=326) 16.8ヶ月 15.3-19.1
FOLFIRI±Bev(n=324) 15.4ヶ月 13.0-17.7
2. 無増悪生存期間
  中央値 95%信頼区間 HR 0.95 (95%C.I. 0.81-1.11)
p=0.51         
mXELIRI±Bev(n=326) 8.4ヶ月 7.1-9.1
FOLFIRI±Bev(n=324) 7.2ヶ月 6.6-8.5
3. 奏効割合
  奏効割合 95%信頼区間
mXELIRI±Bev(n=310) 24.2%(CR 13例、PR 62例) 19.5-29.4
FOLFIRI±Bev(n=310) 18.4%(CR 2例、PR 55例) 14.2-23.2
4. 有害事象(NCI-CTCAE ver.4.0)
  mXELIRI±Bev(n=310) FOLFIRI±Bev(n=310)
  Grade 1-2 Grade 3 Grade 4 Grade 1-2 Grade 3 Grade 4
好中球減少症 120 (39%) 46 (15%) 6 (2%) 103 (33%) 84 (27%) 49 (16%)
貧血 207 (67%) 8 (3%) 2 (1%) 236 (76%) 12 (4%) 1 (<1%)
血小板減少症 105 (34%) 3 (1%) 1 (<1%) 104 (34%) 1 (<1%) 0
発熱性好中球減少症 0 6 (2%) 4 (1%) 0 8 (3%) 5 (2%)
悪心 148 (48%) 13 (4%) 0 156 (50%) 9 (3%) 0
下痢 133 (43%) 22 (7%) 0 122 (39%) 10 (3%) 0
手足症候群 100 (32%) 6 (2%) 0 46 (15%) 1 (<1%) 0
高血圧 50 (19%) 19 (7%) 0 32 (12%) 27 (10%) 0
蛋白尿 97 (36%) 16 (6%) 0 81 (30%) 26 (10%) 0
出血 37 (14%) 2 (1%) 0 37 (14%) 1 (<1%) 0
血栓塞栓症 5 (2%) 2 (1%) 1 (<1%) 2 (1%) 4 (1%) 0
結語
切除不能大腸癌の二次治療において、全生存期間におけるmXELIRI±BevacizumabのFOLFIRI±Bevacizumabに対する非劣性が証明された。mXELIRIは認容性も良好であり、少なくともアジア人患者に対してはFOLFIRIの代替療法となり得る。
執筆:静岡県立静岡がんセンター 消化器内科 レジデント 井上 博登 先生
監修:静岡県立静岡がんセンター 治験管理室 部長、消化器内科 医長 山﨑 健太郎 先生

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