肝細胞癌 REFLECT(日本人サブ解析)

REFLECT—a phase 3 trial comparing efficacy and safety of lenvatinib to sorafenib for the treatment of unresectable hepatocellular carcinoma: an analysis of Japanese subset

Tatsuya Yamashita, Masatoshi Kudo, Kenji Ikeda, et al. J Gastroenterol. 2020 Jan;55(1):113-122 [PubMed]

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対象疾患 治療ライン 研究の相 主要評価項目 実施地域 日本の参加
進行肝細胞癌 一次治療 第3相 全生存期間 国際 あり

試験名: REFLECT(日本人サブ解析)

レジメン:レンバチニブ vs ソラフェニブ

登録期間:2013年3月〜2015年7月

背景

レンバチニブ(LEN)はVEGFR1-3、FGFR1-4、KIT及びRETを阻害するマルチキナーゼ阻害薬である。進行肝細胞癌に対して、LENとソラフェニブ(SFB)を比較する第3相試験(REFLECT試験)が実施され、全生存期間(OS)はLEN群13.6ヶ月、SFB群12.3ヶ月、ハザード比0.92(95%信頼区間:0.79-1.06)であり、LENの非劣性が証明された。今回、同試験における日本人サブグループの解析結果が報告された。

シェーマ

統計学的事項

主要評価項目:全生存期間

日本人サブグループの解析は、ITT集団で行われた。全生存期間および無増悪生存期間曲線はKaplan-Meier法を用いて推定し、両群間の比較は、log-rank検定を用いて検定された。

試験結果:

  • 2013年3月から2015年7月までに全体で954人が登録され、そのうち日本人は168人(LEN群81人、SFB群87人)だった。
  • 日本人の患者背景は全体と比べて、高齢でECOG-PSが良好で、BCLCステージBやHCVの割合が高く、治療前のAFPは低値であった。
  • 両群の患者背景は、LEN群でHCV陽性例の割合がやや低い傾向(46% vs 56%)にあったことを除いて、大きな偏りはなかった。
1. 全生存期間(主要評価項目)
  中央値 95%信頼区間 HR 0.90     
(95%C.I. 0.62-1.29)
LEN群 17.6ヶ月 12.2-23.0
SFB群 17.8ヶ月 11.9-19.5
2. 無増悪生存期間
  中央値 95%信頼区間 HR 0.63     
(95%C.I. 0.44-0.90)
p=0.0104    
LEN群 7.2ヶ月 5.4-9.1
SFB群 4.6ヶ月 3.5-5.4
3. 奏効割合
  奏効割合 OR 7.03      
(95%C.I. 2.46-20.09)
p=0.0001     
LEN群 29.6%
SFB群 6.9%
4. 有害事象(CTCAE ver.4.0)
  LEN群(N=81) SFB群(N=87)
  全Grade Grade 3以上 全Grade Grade 3以上
手掌・足底発赤知覚不全症候群 42 (51.9%) 6 (7.4%) 64 (73.6%) 15 (17.2%)
高血圧 40 (49.4%) 26 (32.1%) 42 (48.3%) 23 (26.4%)
食欲不振 39 (48.1%) 6 (7.4%) 15 (17.2%) 0 (0.0%)
蛋白尿 37 (45.7%) 7 (8.6%) 19 (21.8%) 1 (1.1%)
甲状腺機能低下症 33 (40.7%) 0 (0.0%) 4 (4.6%) 0 (0.0%)
下痢 30 (37.0%) 3 (3.7%) 32 (36.8%) 2 (2.3%)
結語
REFLECT試験の日本人サブグループ解析により、REFLECTの全体集団と同様に、日本人の進行肝細胞癌患者においても1次化学療法としてLENを使用した場合、SFBと比較して有意に無増悪生存期間、奏効割合を改善することが明らかになった。
関連論文
・ Kudo M, Finn RS, Qin S. et al, Lenvatinib versus sorafenib in first-line treatment of patients with unresectable hepatocellular carcinoma: a randomized phase 3 non-inferiority trial, Lancet 2018; 391: 1163-73. [Pubmed]
・ 臨床試験サマリ(肝細胞癌) REFLECT 試験
執筆:国立がん研究センター東病院 肝胆膵内科 澁木 太郎 先生
監修:国立がん研究センター東病院 肝胆膵内科 科長 池田 公史 先生

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