第9回座談会 第二部
-gBRCA遺伝子変異陽性に対するオラパリブ-

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はじめに

第二部はPARP[poly-(ADP-ribose) polymerase]阻害薬のオラパリブがテーマです。2020年12月、オラパリブに「BRCA遺伝子変異陽性の治癒切除不能な膵癌における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の維持療法」の適応が追加されました。進行膵癌の一次治療後の維持療法に新たな選択肢が加わりましたが、金井先生にはその作用機序と承認の根拠となった海外第3相のPOLO試験の成績を概説していただき、その後にディスカッションしたいと思います。

第二部 gBRCA遺伝子変異陽性に対するオラパリブ

池田先生:
 第二部はPARP[poly-(ADP-ribose) polymerase]阻害薬のオラパリブがテーマです。2020年12月、オラパリブに「BRCA遺伝子変異陽性の治癒切除不能な膵癌における白金系抗悪性腫瘍剤を含む化学療法後の維持療法」の適応が追加されました。進行膵癌の一次治療後の維持療法に新たな選択肢が加わりましたが、金井先生にはその作用機序と承認の根拠となった海外第3相のPOLO試験の成績を概説していただきます。
金井先生:
 オラパリブは、一本鎖DNA損傷の塩基除去修復に関与するPARPを特異的に阻害する作用があります。一本鎖DNAの修復が妨げられると、二本鎖DNA損傷の状態になります。二本鎖DNA損傷はBRCAを含む相同修復組み換え(homologous recombinant repair, HRR)関連遺伝子によって修復されますが、BRCA遺伝子に異常があるとDNA損傷が残存し合成致死と呼ばれる細胞死が誘導されます。