2.1 Irinotecan
2.1.1 IFLレジメン(Saltzレジメン)
Bolus FU/LVとIrinotecanの併用レジメンである。Saltzらにより、初回治療としての5-FU/LV(Mayoレジメン)およびIrinotecanに対し、主要評価項目であるPFS(IFL vs. 5-FU/LV vs. Irinotecan=7.0か月 vs. 4.3か月 vs. 4.2か月, p=0.004)および奏効割合(各々39% vs. 21% vs. 18%, p<0.001)、OS(各々14.8か月 vs. 12.6か月 vs. 12.0か月, p=0.04)における優越性が示された1。
その後、IFLを試験治療とした第3相試験(N9741試験、CALGB C89803試験)の解析によって、IFL群の治療関連死亡が他の試験治療と比較して3倍多いことが指摘されたこと2、bolusFL、FOLFOX、IROXを比較したN9741試験3およびFOLFOXとFOLFIRIを比較したV308試験の結果より4、IFLよりもFOLFIRIの方が抗腫瘍効果および安全性において良好であると認識され、現在では使用されなくなっている。